3.動物の世界
(6)チョウ・ガのなかま
(465)モンシロチョウ
「あ! 白いチョウがいる。」
「モンシロチョウだね。こいつは,あちこちによくいるやつだ。」
「モンシロチョウか・・・。でも,ちょっと変じゃない?」
「なにが変なんだよ。花ちゃん。」
「だって,もんって,漢字で『紋』(もん)のことでしょ。つまり,紋とは,もようとか,マークとかのことでしょ。このチョウは,紋が黒いでしょ。だから,モンクロチョウといったほうが正しいかもね。」
「なるほど,モンシロチョウじゃなくて,モンクロチョウか・・・。ぼく分かんなくなっちゃった。モンタ博士! どっちが正しいのですか。」
「なるほど。おもしろいところに気がついたね。つまりね,もともとは,黒い紋があるチョウなので,モンクロシロチョウといわれていたんだ。でも,それだと,ややこしいので,省略して,モンシロチョウということになったらしいよ。」
「それなら,モンクロチョウでもよかったのか。」
「そうすると,黒いチョウのようになってしまうだろう。つまり,黒い紋のある白いチョウということなのさ。」
「そうか! モンキチョウというチョウもいるけど,それも,紋のある黄色いチョウという意味なんですね。」
「ところで,モンタ博士。チョウのきれいなもようや色はどうしてあるのかな。」
「ぼく知ってるよ。鱗粉というものがあるからなんだ。その粉のようなものをとってしまうと,トンボやハチのような透明な羽になってしまうんだ。」
「そうだね。その鱗粉のおかげで,水をはじいたりして体を守れるのさ。」
「なーるほど。そうですか。それじゃ,どうやって鱗粉はできるのですか。」
「その鱗粉は,さなぎの時に外に出すうんちやおしっこを再利用して作られたものさ。ちょっと黄色っぽい色をしたチョウが多いのは,そのおしっこの中の尿酸によるものなのさ。」
「ちょっとむずかしいお話だけど,そういえば,モンシロチョウの羽の色もまっ白ではなくて,裏のほうは少し黄色みがあるわ。」
「なーるほど。ただのモンシロチョウだけど,いろいろ調べると,おもしろいんだね。」
「モンシロチョウによく似たスジグロシロチョウというやつもいるよ。どんなちがいがあるかな。」