2.植物の世界
(3)被子植物(双子葉類)のなかま
(459)タンポポのなぞ
「ねえねえ! みんな見て!」
「すごいだろう。これ,ぼくたちがゲットしたんだ。」
「とっても,ちょう,長いんだ。」
「分かりやすいように,紙にはったんだ。」
「つまり,おし花みたいにしたんだ。」
「なんだろう? 植物みたいだけど・・・。」
「オー君! よーく見て。オー君も国立第七小学校のみんなも,いつもとてもよく見ている植物だよ。黄色いお花だよ。」
「上のほうを,よく見ると分かるよ。」
「ぎょ!!! これは,もしかして・・・ひょっとして・・・タンポポ?」
「ピンポーン。大当たり!」
「上を見ると,綿毛が飛んだようすがよく分かるよ。」
「花の茎がこんなに長くなったのは,初めて見たよ。ところで,どうしてこんなに長くなるんだっけ?」
「あらあら,オー君。忘れちゃったの。『てくてく自然散歩』にもちゃんと書かれてあるわ。つまり,綿毛を高くしたほうが,種をより遠くへ飛ばせるからなのよ。」
「そのとおりだね。ぼくたちね,校長先生と花の茎の長さを定規ではかったんだ。」
「そしたらね,何と! 82センチもあったんだ。」
「こんなに長いのは,めったにないんだ。」
「見つけた時に,うれしくてうれしくて,それで校長先生に見せたんだ。」
「ぼくたちは,長いながーいタンポポの花の茎ゲットのチャンピオンなんだ。」
「すごいだろう。えっへん!」
「よーし! おいらだって,Sくんたちに負けないくらいなが─────いものをさがすぞ。」
「それでは,みんなでチャンピオンめざしてがんばろう。」
「そうだ。そうだ。そうしよう!」
「でも,ちょっと待って。私,また分かんなくなっちゃった。」
「どうしたのさ。花ちゃん。何か気になることがあるの。」
「あのね。花の茎が長くなるのは分かるけど,どうしてとってもながーいのと,あまり長くないものや,とても短いのがあるんだろう。」
「そうだね。なぜだろう? と疑問に思うことが大切だね。どうしてかなと不思議に思うことが必要なんだね。」
「自然の世界には,偶然というものはないんですね。」
「そうね。みんな目には見えないけど,何かきまりがあるのね。」
「そうだね。目には見えないものでも,じーとよく見て,よーく考えて,いろいろと調べることで,そこにきまりがあることを発見していくんだよ。それをね,科学というんだ。」
「なんだか,ちょっとむずかしいお話になってしまったけど,みんなでいろいろと調べてみようよ。」
「そうだ。みんなで力を合わせて,タンポポの『なぞ』を発見するぞ!」