2.植物の世界
(1)花のつくりとはたらき
(426)1年草と多年草
「モンタ博士! 校庭のコスモスが咲き始めました。」
「このまえ,夕やけ空に赤トンボが飛んでいました。」
「すっかりと秋本番になりましたね。学芸会ももうすぐです。」
「そのとおりだね。学芸会のころにはコスモスが満開になるだろうね。」
「ところで,今まで国立七小に,こんなにたくさんのきれいなコスモスがあったかな。」
「花があると,心がいやされますね。」
「そうだろう。朝,学校に入った時にたくさんの花があれば気持ちいいよね。そのためにみんなで種をまいたんだ。もう忘れてしまったかな。」
「夏休みにプールに来た時には,たくさんのヒマワリが咲いていたね。」
「そこでモンタ博士はね,ヒマワリの花の数を数えたんだ。」
「え! ヒマワリの花を数えた?」
「そうだよ。夏休みの第一週目は150個くらい,第二週目は250個くらい,そして,第三週目ころ,なんと300個以上花が咲いていたんだ。」
「ぼくは,体育館の西側にヒガンバナがたくさん咲いているのを見つけました。」
「気がついてくれたんだ。うれしいね。あのヒガンバナは,モンタ星から持ってきたものなんだ。それからシャガも200株くらい運んで植えたのさ。」
「いろいろなお花で国立七小が花いっぱいになることは,とてもとってもうれしいですね。」
「そのとおりだね・・・でも,ちょっと疑問に思うことがあるんだけど。」
「どうしたの。急にまじめな顔して?」
「ぼくはいつもまじめさ。ところでさ,コスモスやヒマワリは春に種をまいて,夏や秋に花を咲かせるだろう。でも,ヒガンバナやシャガなどは,同じように種をまかないで育てるのが不思議なんだ。」
「そういえばそうですね。菜の花などはこれから種をまいたりするんでしょ。」
「ほほー。それはいいことに気づいたね。不思議に思うこと,なぜかなと考えることは,科学の大切な『はじめの一歩』だね。」
「植物といっても,いろいろとあるんですね。」
「そうだね。ヒマワリ,コスモス,それからアサガオなどは,春に種をまいて,花が咲いて,その後はどうなるのかな。冬はどうしているのかな。」
「秋に種ができてから,その後は枯れて種で冬をこします。」
「そうだね。種をまいてから成長して花が咲き,枯れるまでの期間が1年間以内の植物を1年草というんだ。」
「つまり,ヒマワリ,コスモス,アサガオは1年草というのですね。」
「それに対して,根や株があり数年にわたり花が咲くのを多年草というんだ。」
「つまり,ヒガンバナやシャガなどは多年草ということですね。」
「そのとおりだね。まあ,ヒガンバナやシャガは種をつくらないで株だけで増えていったり,多年草は宿根草といったり,多年草といっても2種類あって,根は生きていても,冬は地上部が枯れてしまうものと,そうでないものとに分かれるんだ。さらに,秋に種をまいて次の年の夏には枯れてしまうように2年間にわたって成長するものを2年草というばあいもあるんだよ。」
「ふーん。いろいろとあるんですね。少しは分かったような気がします。」
「これからは,自分でもいろいろと調べてみます。」