トウショキッズ 東書KIDS

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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
3.動物どうぶつ世界せかい
 (1)動物どうぶつ生殖せいしょく
(425)秋鳴あきなむしのひみつ
花ちゃん
「モンタ博士はかせ,このごろよるになると,あきむしごえこえて,とってもいいですね。でも,どうして虫は鳴くのかな。」

「そうだね。むしとともにあきかんじることが大切たいせつだね。国立七くにたちななしょう校庭こうていのコスモスもすこはじめたね。ところで,秋の虫がくわけは,オスがはねをこすりわせて,メスにラブコールをおくっているからなんだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「モンタ博士はかせ,オスははねと羽をこすりわせてくというけど,そんなにかんたんにおとるのですか。」

はねのうらにふとみゃくがあって,その脈にヤスリのようなものがついているんだ。そして,もう一方いっぽうの羽のまさつへんをこするというわけさ。バイオリンにちょっとているかんじかな。」
モンタ博士

写真
オーくん
「ところで,はなちゃんは,あきむしでどんな虫がきだい。」

花ちゃん
「やっぱり,わたしはスズムシが一番いちばんき。それから,コオロギもすてきなごえかしてくれるわね。」

オーくん
「ねえ,はなちゃん。コオロギといっても,いろいろな種類しゅるいがいて,ごえがみんなちがうのっていた。」

花ちゃん
「コオロギって,みんなごえおなじじゃないの?」

オーくん
「ちがうよ。ぼくは,むし録音ろくおんしたんだ。はなちゃんにもかせてあげるよ。」

  ということで,みんなで『あきむしコンサート』をくことになったとさ・・・。
オーくん
「まずは,エンマコオロギだ。こいつはきれいなこえなんだ。」

【エンマコオロギ】
「コロコロリー。コロコロリー。」

オーくん
つぎは,オカメコオロギだ。4,5おんずつくぎってくよ。」

【オカメコオロギ】
「リッリッリッリッ,リッリッリッリッ。」

オーくん
最後さいごは,ツヅレサセコオロギだ。ながつづけるよ。」

【ツヅレサセコオロギ】
「リ・リ・リ・リ,リ・リ・リ・リ。リ・リ・リ・リ,リ・リ・リ・リ。」

花ちゃん
「なーるほどね。ところで,わたしちいさいときからピアノをならっているから,みみには自信じしんがあるんだけど,さっきから,かんだかこえで,チリチリチリっていうか,ジリジリジリっていうか,リィーリィーリィーってかんじかな。なんだかうるさい感じでいているむしがいるようにこえるんだけど・・・。」

オーくん
「そうなんだ。このごろ,アオマツムシというやつが,ものすごくえているんだ。あかるい外灯がいとうにもよくあつまるんだ。」

写真
花ちゃん
「そのアオマツムシって,コンビニのかりにもよくむしかな。」

「そのとおり,このアオマツムシというのは,もともと日本にほんにはいなかったむしでね,帰化きか昆虫こんちゅう外国がいこくからた虫)というのさ。日本の虫のごえがかきされてしまうかんじで残念ざんねんだね。」
モンタ博士

花ちゃん
うたにある ♪あれマツムシがいているチンチロ・チンチロ・チンチロリン♪ というマツムシとはちがうんですか。」

かたちはよくているけど,いろがちがうんだ。それに,マツムシはくさはらやはやしのふちでくんだ。でも,アオマツムシはうえさ。」
モンタ博士

花ちゃん
外国がいこくからむしが,どうしてそんなにえたのかな。」

日本にほんむしはほとんどつちなかにタマゴをむんだけど,アオマツムシは,にタマゴを産むそうだよ。それで,おなじようなところ生活せいかつする虫が日本にほんにはいないので,たくさんはびこってしまったというわけさ。」
モンタ博士

生態的せいたいてき地位ちい(ニッチ)の空間くうかん侵略しんりゃくされつつある日本にほん
すだくむし何処いずこへ!
 生態せいたいけいなか個々ここ動物どうぶつ植物しょくぶつ種類しゅるいがその存在そんざいめる相互そうご関係かんけい生態的せいたいてき地位ちい(ニッチ)という。日本にほんの生態系にはアオマツムシのようにたまごむバッタるい存在そんざいしなかった。そこで,その生態的地位の空間くうかんをねらってはびこっているわけである。みちあるいていて,くさむらからこえてくるむし日本産にほんさんである。なお,「すだく」という言葉ことばくさむらなどに虫たちがあつまりよううのである。もし,木のうえほうで鳴いていたら,まずアオマツムシに間違まちがいない。日本のあきぜいしずかにたのしみたいのになあ…。ざんねんねんだ!
   てくてく自然散歩シリーズ
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