2.植物の世界
(4)被子植物(単子葉類)のなかま
(9)わあ、楽しい! 草花あそびの世界
(418)ネコジャラシ(エノコログサ)・草花遊びの意味
「モンタ博士! こんな草を見つけました。」
「あ! 1―1のSさんですね。どれどれ見せてごらん。うわあーすごいね。よく見つけたね。よく気がついたね。よしよし! いい子だ,いい子だね。」
「これはネコジャラシですね。」
「そのとおりだよ。よく知っているね。」
「だって,この草でネコをこちょこちょするとおもしろいんだもん。」
「そうだね。モンタ博士もネコにこちょこちょしたことあるよ。正しい名前は,エノコログサというんだよ。」
「へえー,そうなんですか。でも,どうしてエノコログサというのですか。」
「そうだね。どうしてかと疑問に思ったり,不思議だと考えることが大切だね。エノコロというのは,犬のことで,イヌのしっぽに似ているからなんだ。」
「そういえばそうですね。イヌのしっぽに似てますね。」
「へえー,なるほど。そういうことですか。」
「あのね,このネコジャラシ(エノコログサ)は,ネコをこちょこちょするだけでなく,ほかの遊び方もあるんだけど,知っているかな。」
「知りませーん。」
「モンタ博士! 教えてくださーい!」
「まったくかんたん。むずかしくはないよ。」
「どうするのですか。」
「まず,下の絵のようにグーを作って,そのまん中にエノコログサを入れるんだ。」
「中に入れてどうするのですか。」
「あとはニギニギするだけさ。さあ! おどろきだ。もこもこずんずんと上に上がってくるよ。エノコログサを反対にすると,今度は,ぎゃくに,もこもこずんずんと下に下がっていくよ。どうかな。分かったかな。分かったらやってごらん。」
「うわあー。もこもこずんずん上がるよ。」
「うわあー。もこもこずんずん下がるよ。」
「おもしろいね。楽しいね。」
「あー,よかった,よかった。これからもみんなが喜ぶような『草花遊び』をたくさんたくさん紹介してあげようね。」
「わーい! わーい! うれしいな。」
「でもね,遊びに夢中になってもいいけど,車には気をつけてね。それから,あまり寄り道してはいけないよ。おうちの人が心配するからね。」
草花遊びの意味
道草という言葉がありますが,これは,子供たちが学校の行き帰りに路傍の草花に目を留め,あれこれと遊んだことからできた言葉だと思います。昔は,今と違い遊び道具もなく,自然の様々な事物が遊びの対象になり,草花遊びなどもよく行っていたのでしょう。この草花遊びという行為は,花の香りや草のにおい,さらに土の感触などを,体全体で五感で感じ取ることができます。さらに,花には色や形などの違いがあることや,葉っぱでもつるつるした物やざらざらの物まであること。また,脈の走り方にもいろいろとあること(平行脈や網目状脈)など,科学的に学ぶ自然認識力も育まれると思います。
自然の動植物との直接体験は,感性を養い五感を刺激することにも通じ,幼少期にはとても大切な経験であり,今後も様々な機会に子供たちと楽しみたいと考えています。なお,草花遊びもシリーズとして,『国立てくてく』に紹介できたらと考えております。