東書キッズ

１．身近（みぢか）な自然（しぜん）の観察（かんさつ）
　（7）気象現象（きしょうげんしょう）
３．動物（どうぶつ）の世界（せかい）
　（6）チョウ・ガのなかま
４．自然界（しぜんかい）のつりあい・環境保全（かんきょうほぜん）・地質（ちしつ）と地形（ちけい）の世界（せかい）
　（1）自然界（しぜんかい）のつりあい

（415）地球温暖化（ちきゅうおんだんか）とチョウ

「モンタ博士（はかせ）！今日（きょう）は，地球（ちきゅう）の温暖化（おんだんか）のお話（はなし）ですね。」

「温暖化（おんだんか）？なんだかむずかしそうなお話（はなし）ですね。」

「むずかしくはないよ。まあ，もっとむずかしくいえば，『人為的（じんいてき）気候（きこう）変動（へんどう）』ともいうんだけどね，つまり，地球（ちきゅう）があたたかくなっているということさ。まあ，上（うえ）のチョウの写真（しゃしん）を見（み）てごらん。何（なに）か気（き）がついたことがあるかな。」

「ぼくもチョウを採（と）ったりするけど，あまり見（み）たことのないチョウですね。」

「左（ひだり）をクロコノマチョウ，右（みぎ）をナガサキアゲハというんだよ。」

「あまり聞（き）かない名前（なまえ）ですね。」

「数年前（すうねんまえ），この２（ふた）つのチョウを採（と）った時（とき）には，めちゃくちゃ興奮（こうふん）したね。」

「それは，どうしてですか。」

「このクロコノマチョウやナガサキアゲハは，国立（くにたち）市（し）や八王子市（はちおうじし）など東京（とうきょう）にはいないはずのチョウなんだよ。」

「それって，どういうことですか。」

「これらのチョウは，もう少（すこ）し南（みなみ）のあたたかい場所（ばしょ）にいるチョウなんだよ。」

「あたたかい場所（ばしょ）にいるチョウが，この近（ちか）くで見（み）つかるといけないの。」

「あのね，チョウの生息（せいそく）分布図（ぶんぷず）というのものがあるのさ。」

「上（うえ）の地図（ちず）みたいのが，その生息（せいそく）分布図（ぶんぷず）というものですか。」

「そうだよ。左（ひだり）のクロコノマチョウを見（み）てごらん。国立市（くにたちし）よりももっと南（みなみ）にいるはずなんだよ。それから，ナガサキアゲハも同（おな）じだよ。これは，まちがいなく地球（ちきゅう）温暖化（おんだんか）が進（すす）んでいるということなんだ。」

「本当（ほんとう）は南（みなみ）のあたたかい場所（ばしょ）にいるはずのチョウが，北（きた）まで来（き）ているのですね。」

「それだけ，地球（ちきゅう）があたたかくなっているのですね。」

「そのとおりさ。地球（ちきゅう）温暖化（おんだんか）というのはね，二酸化炭素（にさんかたんそ）などの温室（おんしつ）効果（こうか）のあるガスがたまってしまって，それが原因（げんいん）となって地球の気候（きこう）が変化（へんか）して，急（きゅう）にあたたかくくなることなんだよ。北極（ほっきょく）海（かい）の氷（こおり）が少（すこ）しずつ溶（と）けて，ホッキョクグマもあと数十年（すうじゅうねん）でいなくなるのではといわれているんだよ。」

「へえー，そうなんですか。地球（ちきゅう）温暖化（おんだんか）については，きちんとお勉強（べんきょう）します。」

ツマグロヒョウモンと地球（ちきゅう）温暖化（おんだんか）について

　山（やま）と渓谷社（けいこくしゃ）発刊（はっかん）の『野外（やがい）ハンドブック２蝶（チョウ）』（初版（しょはん）1977年（ねん）７月（がつ）20（はつ）日（か）・８版1989年９月10（とお）日（か））がモンタ博士（はかせ）ライブラリーにありますが，その中（なか）の記述（きじゅつ）で，ツマグロヒョウモンについて「この蝶（チョウ）は，関東（かんとう）以北（いほく）ではめったに見（み）られることがなく，稀（まれ）に迷（めい）蝶（ちょう）として採集（さいしゅう）されるだけなので，子供（こども）の頃（ころ）は図鑑（ずかん）をながめながら何（なん）とか採（と）ってみたいものだと，ため息（いき）をついていた。後（のち）になって初（はじ）めて屋（や）久島（くしま）に行（い）った時（とき）に，上陸（じょうりく）してまず見たのがこの蝶で，海岸（かいがん）の草（くさ）むらを飛（と）んでいた。その時は，あわてて追（お）って行（い）ったが，屋久島ならどこにでもいる蝶で･･･後省略（あとしょうりゃく）」とありました。また，特（とく）に目（め）を引（ひ）いたのは，分布（ぶんぷ）は「近畿（きんき）以西（いせい）」という一語（いちご）でした。