1.身近な自然の観察
(3)季節と生物
2.植物の世界
(3)被子植物(双子葉類)のなかま
(393)シャガ
「あーあ・・・サクラの花も散ってしまったな。つまんないな。」
「そうかな。そんなことないと思うけど・・・。」
「それって,どういうこと?」
「サクラは散ったけど,これからもいろいろなお花がいっぱい咲くわ。」
「え? どこに咲いているの。どこ? どこ?」
「ねえ,オー君。上の写真を見てどこだか分かる?」
「あ! これは,富士見台団地の西側だ。バス通りだ。」
「そうね。ここもサクラが咲いていたけど・・・ねえねえ,オー君! サクラの木の下をよーく見て! 何か咲いているでしょ。」
「白くて大きなレースのような花だね。」
「そうね。ニワトリの大きなとさかがダンスしているみたいね。」
「花びらはフリルにそっくりだし,パステルカラーのようにいろいろな色があって,なかなかきれいな花だね。」
「ほほー。なるほど。レースのようだとか,ニワトリのとさかみたいとか,フリルにそっくりとか,二人ともとてもよく観察できているね。花の様子を何かにたとえたりするのは,とてもよく見ているということだよ。感心感心。」
「あ! モンタ博士。いつのまに・・・。そうだ。この花なんていうの。」
「そうだね。花の名前ならきっと花ちゃんが知っているよ。」
「はい。これは『シャガ』という植物です。」
「そうだね。この『シャガ』は,バス通りはもちろん,『ハケ』の近くでもたくさん見ることができるんだ。それから,この花を見たら,しゃがんでね。」
「そうか! 『シャガ』だから『しゃが』むんだ。そうでしょ。モンタ博士。」
「ピンポーン,そのとおりでーす。」
「モンタ博士! だじゃれですね。」
「そうだよ。植物の名前はね,楽しみながら覚えればいいのさ。他にも,たけいから(高いから)タケ(竹)とか,ホオノキがあったら,ほおー! とかね。まだまだいろいろあるけど,またそのうちね。シャガは一つ一つの花も大きくてきれいだけど,写真みたいにたくさん集まってもなかなかステキでいいものだね。」
シャガのつぶやき
私はシャガでーす。葉っぱは艶があり平たくシャープな感じでしょ。よく見ると,剣のようなので,難しい植物用語で『剣状葉』といって,アヤメ科の植物の特徴でもあるのよ。私は花がきれいで派手な感じなので,園芸種であると思っている人もいるでしょうが,残念でーす。実は帰化植物で,かなり昔に中国から伝わってきたものと言われているの(史前帰化植物)。それから私は,種ではなくて根をあちこちに伸ばしては増え続けるのよ。私は日向でも日陰でもどちらでもよく育つのよ。アスファルトだって突き破るくらいに元気なんですからね。そのど根性を見込んで,森田校長先生は,体育館の西側の軒下や校庭のあちこちに全部で200株くらい植えたそうです。これで,またまた国立第七小学校が花いっぱいの学校になるわね。なお,学名ではIris japonica(アイリス ヤポニカ)といいますが,アイリスとは虹という意味なのね。つまり,『日本の虹』ということになるのよ。