1.身近な自然の観察
(3)季節と生物
2.植物の世界
(3)被子植物(双子葉類)のなかま
(388)カンザクラ
「『♪春は名のみの風の寒さや 谷のうぐいす 歌は思えど♪』・・・」
「あ! 花ちゃんの歌だ。きれいな声だな。上手だね。でも,何という歌なの。」
「『早春賦』(吉丸一昌 作詞 / 中田章 作曲)という歌だよ。今から100年くらい前にできた歌でね。昔の小学校の音楽の時間に歌った曲なんだ。」
「私はこの歌が好きなの。お母さんに教えてもらったのよ。いい歌でしょ。春を待つ気分で,何だかわくわくしますね。」
「そうだね。暦の上では,節分・立春も過ぎて『春』といってもいいけど,ほほにあたる
風はまだまだ冷たいね。」
「それでも,少しずつお日様の光は,明るくなってきた感じがしますね。」
「そうだね。夕方もそんなに早く暗くならないもんね。少しずつ日がのびてるんだ。」
「そのとおりだね。春は明るい光とともに,秋は涼しい風とともに訪れるというからね。いろいろな自然の様子から季節を感じることが大切なんだよ。オオイヌノフグリやホトケノザなども顔を見せはじめてきたし,国立七小の裏庭のウメもちらほらと咲いてきたよ。」
「そういえば,谷保天満宮のウメも咲いてきたよ。」
「ところで,絵はサクラの絵のようですが・・・。」
「サクラ・・・? でも,サクラはまだちょっと早いんじゃないの。」
「そんなことないよ。この絵は,谷保駅のものをかいたんだよ。」
「え! 谷保駅にあるの。」
「そうだよ。川崎行きのホームの後ろ。駅北側のコンビニのななめ前だよ。」
「本当ですか。こんど見に行こうね。オー君!」
「うん! そうしよう。そうしよう。」
「ところで,このサクラの名前はなんというのですか。」
「このサクラはね,『カンザクラ(寒桜)』という名前のサクラだよ。」
「色がうすいピンク色で,やさしい感じの花ですね。」
「それから,ちょっと小さくてかわいい花だね。」
「みんなが知っているサクラで,国立の大学通りにも植えられているソメイヨシノというサクラとは,ちょっとちがうんだよ。」
「でも,どうしてちがうのかな。」
「それはね,つまりこうなんだ。サクラというのは,自然に自生しているものの他に,たくさんの種類(雑種とか品種とかよばれる)があるということなんだよ。」
「そうなんですか。いろいろと勉強になりました。」
「谷保駅のサクラだけど,カンザクラのとなりにもう一本のサクラがあって,オオカンザクラといって,またちがう種類のサクラなんだよ。このあとまた少しすると咲き始めるから見てごらん。モンタ博士の夢はね,そのうちいつか,沖縄から北海道までのサクラを見ることなんだよ。」