1.身近な自然の観察
(7)気象現象
6.その他
(4)実験・観察・調査から
(371)雲をインスタントでつくる実験
「校長室前のペットボトルが,いつのまにか元にもどってしまったね。」
「あの気圧の実験は,とっても楽しくてよく分かりましたね。」
「ところで,ペットボトルを使って,また何か実験できないかな。」
「あるよ。あるよ。いろいろあるけど・・・。それでは,みんなでペットボトルに雲をつくってみよう。」
「え! くも? くもって,空に浮かぶ雲ですか。」
「ピンポーン。そのとおり。空に浮かぶ雲だよ。」
「どうやってつくるのですか。」
「まず,雲というのは,水蒸気と空気中のちりからできているんだよ。」
「ふーん,なるほど。でも,だんだんむずかしくなってきたな。」
「雲ができる空は,気圧が低いので,空気が空に上がっていくと,急に空気がふくらんで,温度が下がるんだ。」
「ふーん,なるほど。でも,だんだんむずかしくなってきたわ。」
「すると,空気中にふくまれていた水蒸気が冷やされて,ちりに集まって水や氷のつぶになるんだ。それが,雲の正体なんだね。」
「ところで,ペットボトルでどうやって雲をつくるのですか。」
「それはね,ペットボトルの中に空と同じ環境をつくればいいのさ。」
「もう少し分かりやすくお話ししてください。」
「まず,ペットボトルにお湯を入れると,水蒸気が発生するね。そこに,お線香のけむりを入れるんだ。」
「それから,それから・・・。」
「お線香のけむりが,空気中のちりと同じ役目をするということだね。」
「それから,それから・・・。」
「ここからがちょっとむずかしいけど,ペットボトルをぎゅっと押した後に,急に力をゆるめるんだ。」
「そうすると,どうなるのですか。」
「急にゆるめると,中の空気がふくらんで温度が下がるんだ。」
「そうすると,どうなるのですか。」
「ペットボトルの中が,空に雲ができるときと同じ環境になるんだ。」
「それで,雲ができるということですね。」
「本当にできるのですか。」
「必ずできるんだ。つまり,空の雲は,空気中の『水蒸気』と『ちり』,そして,『温度が下がる』という3つの条件によってできるということさ。3つの条件がそろえば,ペットボトルの中にだって,『雲』をつくることができるんだ。ともかく,まずは実験をやってみよう。ただし,お湯を使ったり,お線香に火をつけたりしてあぶないから,おうちの人か大人といっしょにやるんだよ。」
ペットボトルの「ペット」とは
ペットボトルの「ペット」とは,ポ(P)リエ(E)チレンテ(T)レフタレートの略。石油から作るプラスチックのひとつ。リサイクルして資源を大切に!