1.身近な自然の観察
(7)気象現象
(357)気圧のおもしろ実験
「あれあれ? これは,4コママンガのようですね。」
「『なぜだろう』『ナゼカシラ』と書いてありますね。」
「左のメガネの人はだれですか。」
「右の人はだれでしょう。」
「よく聞いてくれました。頭の上を見てもらうと分かるよ。左は『T』とあり,Teachar(先生)ということで,右は『C』で,Chirdren(子供)なんだ。」
「何をやっているのかな。」
「①ではお水を入れるんだ。②で,もっとたくさん入れて・・・。」
「おっと,水が下から出てきたよ。」
「前に水を入れた時には,水は流れなかったよ。どういうことですか。」
「流れが止まらないよ。どんどん出るみたいだよ。」
「中はどうなっているのかな。」
「きっとしかけがあるんだろうね。」
「どんなしかけなんですか。」
「ハハハ! これは,科学マジックというものなのだよ。くわしくは下の図を見て!」
「絵がかいてあるぞ。これは,コップの断面みたいですね。」
「ジャーン! じつは,答えは,折り曲げたストローがコップの底につけてあったんだよ。」
「だから,底の穴から水が出たのね。でも,どうして途中まで水が出なかったのかしら?」
「水を注ぐと,ストローの中の水面も上がっていきます。(A)」
「だから,途中まで水は出てこないんですね。」
「ところが,ストローより水面が高くなると・・・。」
「あら! ストローの曲げたところを水が越えていくわ! (B)」
「それから水を吸い出すように流れてしまうんだ! (C)」
「これは,灯油のポンプみたいに『サイフォンの原理』も関係しているよ。前にポテトチップスとペットボトルでお話ししたように,空気の押す力(大気圧)が働いているんだ。」
石垣島の教訓茶碗
ある程度まで水を入れてもこぼれないのに,いっぱいにすると一気に全ての水が流れ出てしまい,一滴の水も中には残らない。これは説明にあったように,科学の仕組みを利用したものです。沖縄石垣島では,教訓茶碗として,この原理を使った面白いお土産があるそうです。教訓茶碗とは,外国からのお客様へのお土産としてあげたと言われています。ある程度の量までお酒をついでも普通の茶碗のように使えるのですが,ある一定の量を超えてしまうと,一気に全て流れてしまうというとっても不思議な茶碗です。石垣島に行ったら,ぜひ探してみたいお土産です。さて,このおもしろいマジックの実験道具の作り方は,インターネットで「教訓茶碗」で検索すると詳しく載っていますので,そちらをご覧ください。