1.身近な自然の観察
(5)自然観察・実験のてびき
(348)不思議な穴のひみつ
「いよいよ2学期だけど,二人とも夏休みの宿題は,きちんと出したかな。」
「もちろんですよ。わたしは,1学期の復習もばっちりでした。それに,たくさんの本を読んだし,漢字や計算もたくさんやったわ。」
「それはすばらしい。ところで,オー君は?」
「もちろん・・・といいたいけど,あとちょっと残っているんだ。今,大急ぎでやってるから,できたら先生に出します。」
「しっかりとがんばってくれたまえ。ところで,自由研究はどうしたのかな。」
「もちろんやりました。ぼくは,すっごい研究をしたんだ。」
「わたしもです。モンタ博士。今度,教室に見に来てください。」
「それは楽しみだね。必ず教室に行くからね。」
「ところで,モンタ博士も夏休みの自由研究をやったのですか。」
「何をやったのですか。わたしたちに教えてください。」
「そうだね。モンタ博士は,今年の夏はあまりあちこちには行けなかったけど,おうちの近くの山を歩いていて,大発見したんだ。下の写真を見てよ。」
「あれあれ? 丸いものが7つもあるよ。なんだろう。」
「ネズミさんがいますね。何か関係あるのかな。」
「ネズミといっても,ぐりとぐらではないみたいだよ。」
「ミッキーマウスやミニーマウスでもなさそうですね。」
「えっへん! おれ様は,ねずみのチュウすけだ。」
「チュウすけ? 聞いたことないわ。」
「おれ様は,アカネズミのチュウすけ様だ。雑木林や山などにいるネズミさ。」
「ところで,チュウすけさん! 丸いものはなんですか。」
「よく聞いてくれたね。この丸いものは,クルミだよ。穴のところをよく見ると,おれ様がかじったあとも見えるぞ。クルミはかたいけど,おれ様の丈夫な歯にはかなわないのさ。歯でかじってから,中のおいしいところをいただくわけさ。クルミはみんなも知ってるだろう。うまいんだぞ。」
「そうだね。くるみパンって,とってもおいしいよね。」
「このクルミの中をぜんぶ食べたあとということですね。」
「そうなんだ。なかまといっしょに食べて,食べカスをおいといたら,モンタ博士とかいう人が持っていってしまったというわけなんだ。」
「勝手にもらってごめんね。ネズミの生活のようすを,国立七小の子どもたちに知らせたくて,ちょっといただいたということなんだ。」
「まあ,そういうことならいいけどよ。まあ,2学期も始まったことだし,しっかりとお勉強するんだよ。ところで,次の写真はなんだ。これはおいらが開けた穴ではないぞ。」
「これはむずかしいね。何だか分かるかな。」
「この穴は,わたしが開けたの。くちばしでつついて,中の幼虫をいただいたというわけよ。矢印の先の穴をよーく見てください。」
「これは,モンタ博士の宝物なんだ。いいだろう。今度モンタ博士ラボラトリーにおいで。見せてあげるよ。」