1.身近な自然の観察
(5)自然観察・実験の手引き
(322)冬休みの自由研究
「さあ,いよいよ冬休みだね。安全第一,元気に新年を迎えてほしいね。」
「はい,そこでみなさんに『冬休みの自由研究』をおすすめします!」
「えっ! 夏休みの宿題だって大変だったのに,冬もですか・・・。」
「あら,モンタ博士と『いつでも不思議だと思うことを調べてみよう』って話しているじゃない。宿題じゃなくても自分から進んで研究するのよ。」
「さすが花ちゃん。寒い冬,この時期ならではのテーマがあるんだよ。」(いろいろな参考資料を見せながら)
「例えば,毎日コツコツタイプの人には,『朝の冷え込み具合(最低気温)と天気や霜の降り方』の関係調べはどうかな。」
「そういえば,七小近くの畑には霜が降りる日とそうでない日があります。
「『霜柱のできかた』なんていうのもおもしろそうだわ。」
「そうだね。入れ物に砂・黒土・赤土などをそれぞれ入れて,霜柱のでき方をくらべるといいね。乾いた土と湿らせた土ではどうだろうか。」
「なるほど! シモバシラという植物もありましたよね。立川の昭和記念公園で見られるって新聞記事にありました。」
「冬は夜が長く,東京はよく晴れることが多いから天体観測もいいね。双眼鏡や望遠鏡がなくても,肉眼で十分楽しめるよ。」
「オリオン座などの星座を見つけて『冬の大三角探し』はどう?」
「夜だからくれぐれも安全な所で,大人といっしょにね。『しぶんぎ座*流星群』という流れ星のイベントもあるよ。一番多く流れる極大日の予想は1月4日の午前零時から明け方,東の空を見てみよう。」(*現在りゅう座の一部)
「よし! 流れ星に願い事を3回言えるように早口の練習しようっと! でも,“今回は満月の直後で空が明るく悪い条件”だって。」
「はいはい。満月ということは,海の潮が大きく満ち引きする“大潮”ですね。」
「寒いのに海!? 海といえば夏でしょう?」
「そうだね。でも磯の観察には“昼間大きく潮が引く冬がいい”という人もいる。例えば1月1日,神奈川県の江の島では午前10時20分の引き潮で95cm下がり,2回目の 夜10時51分は5cmなんだ。」
「なぜ夏と冬で潮の引き方が違うのか,インターネットで調べてみようかな。」
「冬は貝殻拾いにもいいらしいから,また出かけてきます。他にも冬ならではの生き物探しもありますよ。」
「私,スキーに行ったら『アニマルトラッキング』(雪上の動物の足跡)探しをしてみたいな。」
「ぼくはオサムシを掘り出す『オサ掘り』,冬眠中の昆虫を,土の中や朽ち木の中から探してみます。」
「昆虫マニアには『フユシャク探し』もおすすめ。尺取り虫の仲間で,メスの羽根が退化した蛾がこの季節に出てきます。こうしてみると,冬ならではの自由研究もいろいろできそうでしょう。」
「それではみなさん良いお年を!」