3.動物の世界
(5)ハチのなかま
(297)アシナガバチの巣 その1
「モンタ博士! ハチの巣を持ってきました。」
「どうもありがとう。N君。これは,アシナガバチの巣だね。どこにあったのかな。」
「おうちの軒下にあったんです。」
「こわれないように,ていねいにあつい紙で包むようにして持ってきてくれたんだ。ありがたいね。おうちの人がやってくれたのかな。お礼を言っておいてね。」
「モンタ博士! このハチの巣はどうしてこんなに小さいのですか。」
「まず,こんなに小さいハチの巣によく気がついたね。たいしたもんだ。感心だね。自然や生き物に興味・関心があるということだ。りっぱですね。えらい!」
「そんなにほめられちゃうと,はずかしいです。ところで,なぜ小さいのかな。」
「それはね,この巣はまだ作り始めたばかりなのに,女王バチが鳥に食べられたか,どこかで事故でもあったのか,途中でやめてしまったからなんだ。」
「へえー。そうなんだ。そもそも,ハチの巣ってどうやって作るのですか。」
「そうだね。ハチというのはね,いろいろな種類がいてね,巣もいろいろなんだ。土に穴を掘るのもいれば,竹筒などを利用したり,どろで一戸建てみたいに作ったり,どろで固めたまるまるとした巣もあれば,植物繊維を使ったアパートやマンションみたいなのもあるんだ。ともかく,ハチの世界はおどろきいっぱいでおもしろいよ。巣を作らず葉や木に卵を産むのもいるよ。」
「へえー。そうなんですか。写真のようなハチの巣を作るのがハチだと思っていたけど,そうではないんですね。何だかハチっておもしろい昆虫ですね。」
「そうだよ。ハチは昆虫の中でも,いろいろな巣を作るものがいることで有名なんだよ。みんながよく見つけたり,気がついたりするのは,だいたいがアシナガバチの巣なんだよ。左の巣はたぶんキアシナガバチだと思うよ。」
「そうなんですか。ハチだから刺されたら痛いですか。」
「そりゃ痛いよ。モンタ博士なんか何回も刺されたことがあるよ。」
「見つけたらどうすればいいのですか。」
「もし見つけて,ハチが巣のまわりにたくさんいたら,近づかないことだね。近づくとハチは,敵が来たと思って刺してくるんだよ。おうちの人に言って取ってもらうことだね。」
「モンタ博士! スズメバチはもっと怖いんですよね。」
「そうだね。大きな巣を作るからね。そういう場合には,市役所に電話したり,ハチを取ってくれる業者に頼むことだね。けっして近づいたりしないようにしましょう。すぐに先生か大人に知らせることだね。」
「はい,わかりました。ところでモンタ博士,お話があちこちといってしまいましたが,写真の左のような巣はどうやって作ったのですか。」
「いい質問だね。N君のように,不思議に思うことや感じることがとても大切なことで,好奇心をもつことが『科学のはじめの一歩』だね。」
「そういえば,ハチの巣ってみんな六角形だと思いますが,それって,どうしてなんですか。何か理由とかあるんですか。」
「またまたいい質問だね。その答えはね,『てくてく自然散歩』をいろいろと検索してみたりするといいよ。ところで,ハチの巣はどうやって作るかは,また今度ゆっくりとお話ししてあげよう。」
「ほんとうですか。うれしいな。楽しみにして待ってます。」