1.身近な自然の観察
(6)天文現象・暦
(294)七夕と天の川
「明日は,七夕だね。」
「けんぎゅう星としょくじょ星,つまり,ひこ星とおりひめ星が天の川を渡って,年に一度のデートをする日ですね。」
「そのとおりだね。さすが花ちゃん星博士だね。感心だね。」
「ところで,天の川というのは,どういう川なんですか。水なんて流れていないのですよね。分かんないなあ。どんな時に,どんな所で,どんなふうに見ればいいのですか。」
「まず,天の川の正体は何かというとね,それは,あわい光なんだ。」
「どんな時に見られるのですか。」
「天の川が一番見やすい季節は,夏なんだ。」
「どんな所で見られるのですか。」
「街の明かりがない,空が暗い所だね。それから,山や高原など,空気がよくすんでいて,空が開けている所が最高だね。」
「どんなふうに見ればいいのですか。」
「南の空から頭の上を見てみよう。一か所をじっと見るのではなく,ぼんやりと広い空を見るようにしよう。」
「ところで,天の川の正体というのは,どういうものなのですか。」
「天の川は,ぼんやりした雲みたいで,ミルクを流したように見えるんだ。」
「それで,天の川のことを『ミルキーウエー』ともいうんですね。」
「そのとおりだね。さすが,花ちゃん。よく知ってるね。雲やミルクのようだけど,天の川の正体は,数えきれないくらいほどたくさんの星なんだ。」
「でも,どうして白く見えるのですか。」
「いい質問だ。まず,下の絵を見て! まず,地球のある太陽系の星は,銀河系というたくさんの星の集まりの中にあるんだ。私たちが見ている星は,銀河系の星で,天の川は,銀河系を横から見ているということなんだ。」
「私,星のことはよく本を読んだりして分かっているつもりですが,ほんとうは,天の川を一度も見たことがないんです。」
「ぼくもだよ。天の川を見てみたいなあ。モンタ博士は見たことあるの。」
「もちろん,何度もあるよ。特に北海道で見た星空はすごかったね。満天の星という言葉があるけど,そのとおりだったね。とても感動したよ。」
「国立では見られないのですか。」
「街の明かりが明るすぎて,見ることはたぶん無理だね。」
「それはとても残念ですね。」
「でも,夏休みなど,おうちの人と出かけることもあるだろう。自然が豊かな場所は,星もとてもきれいだよ。そんなときには,ぜひ星空を見上げてみよう。きっとすてきな天の川も見ることができるでしょう。」
「でも,7月7日は七夕といっても,今は梅雨でしょ。晴れた日なんかないよ。」
「そうだ。そのとおり。大切なことを言い忘れていたよ。」
「どんなことですか。」
「七夕の7月7日は,昔の暦のことなんだ。また,くわしくお話しするね。」