2.植物の世界
(3)被子植物(双子葉類)のなかま
(293)コンニャク その後
「うわあー! こんにゃくに葉っぱが出てきましたね。」
「大きな葉っぱですね。私,初めて見ました。」
「もちろんぼくもだよ。でも,こんにゃくというのは,おでんにしたり,こんにゃくゼリーにするんでしょ。でも,どこからどうやれば,こんにゃくになるのですか。」
「そうだね。不思議だろう。こんにゃくはね,下の絵でも分かるように,秘密は土の中にあるんだ。土の中にある丸いイモが『こんにゃくいも』というもので,こんにゃくのもとというわけなんだよ。」
「へえー。そうなんですか。でも,『こんにゃくいも』というのは,初めからそんなに大きいのですか。」
「いい質問だね。こんにゃくの一生というのは,初めは小さなイモで。それが3年,4年もかけて大きくなるんだ。」
「それで,どうすれば,おでんこんにゃくが食べられるのですか。」
「秋になり葉っぱが枯れたら,こんにゃくいもを掘り出し,生イモをタワシでよく水洗いして,汚れや土を取りのぞくんだ。」
「それからどうするのですか。」
「イモをゆでて,芽のところをえぐり取り,皮をむいて,上の絵のように水を入れた容器の中ですりおろすんだ。この時,手袋をしないと,手がとてもかゆくなって大変なんだよ。」
「それで,おでんこんにゃくが食べられるのですか。」
「まだまだだ。すりおろしたら,たまにかきまぜながら2時間ほど待つんだ。それから,こんにゃくを固め,イモのあくをぬくために,水酸化カルシウム,または炭酸ソーダを水にとかして入れるんだ。」
「それで,いよいよおでんこんにゃくが食べられるのですか。」
「まだだ。こねたものを型に流しこみ,さわってもべとつかなくなるまで30分ほどそのままにしておいてから,ナベに湯をわかし,型から出して適当な大きさに切ったこんにゃくを入れて,1時間くらい煮てあくを取りのぞいてできあがり。ということなんだよ。」
「こんにゃくを食べるまでは大変なんですね。」
「でも,おいしいおでんこんにゃくが食べられるから,うれしいね。」
「それにしても,モンタ博士はどうしてそんなによく知っているのですか。」
「それはね,昔,理科クラブで子供と一緒に作ったことがあるからなんだ。それから,図書室にあった『そだててあそぼう・コンニャクの絵本』という本を参考にしたんだよ。ほかにも,いろいろな野菜の育て方や不思議なことや秘密がたくさん書いてあって,とてもいい本だよ。ぜひ読んでごらん。」
「よし! 花ちゃん! 図書室へレッツゴーだ!」