2.植物の世界
(3)被子植物(双子葉類)のなかま
(289)コバンソウと植物の名前の由来
「あれあれ? 上の絵は,校長室前にあったものですね。」
「とても上手にかけていますね。モンタ博士! また,奥様にお願いしてかいてもらったのですか。」
「まあ,そういうことです。モンタ博士はね,写真はよく撮るんだけど,絵はね・・・,いつもお願いばかりしているんだ。そのうちね,いつかね,モンタ博士が文を書いて,奥様の絵と合わせて『植物画文集』を出すのが,おじいちゃん,おばあちゃんになった時の二人の夢みたいなものなのさ。」
「そうなんですか。それまで,たくさんたくさんすてきな絵をかいてもらえるといいですね。」
「ところで,モンタ博士! コバンソウというのは,よく名前をつけたものですね。本当にぴったりですね。」
「そうですね。でも,小判というものが,よく分からない1年生や2年生にはかわいそうですね。」
「そんなこともあろうかと思って,小判を用意したんだよ・・・。」
「え! オー君は,本物の小判を持っているの。」
「ちがうよ。ちがうよ。持ってないよ。写真だよ。下を見てごらん。これはね,慶長小判というものらしいよ。」
「ふーん。そうなんですか。」
「本当に,絵と小判はよくにていますね。昔の人は植物の特徴をよくつかんで,名前をつけたんですね。」
「他にも,植物の名前には,いろいろな物からつけられたものが多くあるわよ。」
「ふーん。どんなものがあるの。」
「いろいろいろいろあるわよ。例えば・・・,例えばね・・・。
●根っこの形から:
ダイコン(大きな根),エビネ(エビのような),ナガイモ(長いいも)
●茎や幹の形から:
ウツギ(空木),サンカクイ(三角),タケ(高い),サルスベリ(猿もすべる)
●葉っぱの形から:
ツバキ(つや木),ヤブレガサ(破れた傘),クルマユリ(車輪状のゆり)
●花の形から:
ネジバナ(ねじれ),ツリバナ(つりさがった),ツリフネソウ(船をつった)
●果実の形から:
オシロイバナ(白い粉),ソラマメ(空を向く),クチナシ(口無し)
●色から:
シロツメクサ(白い花),アカツメクサ(赤い花),アカネ(赤い根)
●においから:
ゴマギ(ごま),クサギ(くさい),レモンエゴマ(レモン),ヘクソカズラ
●味から:
スモモ,ニガウリ,ニガナ,ニガキ,スイバ,アマチャ
●花の咲く時間から:
アサガオ,ヒルガオ,ユウガオ,ツキミソウ,マツヨイグサ,ヒャクニチソウ
●花の季節から:
セツブンソウ,フユイチゴ,アキグミ,ハルリンドウ
●葉や花の数から:
イチリンソウ,ニリンソウ,ミツバ,ミツバアケビ,ヤツデ,クリンソウ
●ほ乳類に例えて:
イタチシダ,ネズミモチ,イヌブナ,ブタクサ,ネコシデ,ウサギギク
●鳥に例えて:
カラスノエンドウ,ホトトギス,サギソウ,トキソウ,クジャクシダ
●は虫類に例えて:
マムシグサ,ヘビイチゴ,ヘビノネゴザ,カメバヒキオコシ
●虫に例えて:
トンボソウ,マツムシソウ,ホタルブクロ,クワガタソウ,ゲジゲジシダ
●軟体・節足動物で:
タコノキ,カニコウモリ,カニクサ,シャコバサボテン
●他の植物で:
ツタウルシ,クサアジサイ,クサソテツ・・・
その他にもいろいろあるわ。花ちゃん。こまっちゃいまーす。」