2.植物の世界
(3)被子植物(双子葉類)のなかま
(288)ヤマボウシ
「モンタ博士,この花は,校長室前にあったものですね。」
「そのとおりだよ。よく見てくれてありがとう。これはヤマボウシという花さ。モンタ博士のおうちに咲いていて,とてもきれいなので,みんなに見てもらいたくて持ってきたんだよ。」
「白い花と緑の葉っぱがとてもいいですね。」
「そうだね。白と緑のコントラストがいいね。ヤマボウシの花は,初夏にぴったりの花だね。さわやかな感じがいいね。」
「初夏にぴったりというのは,どういうことですか。」
「これからの季節には,白い花がよく目につくということさ。」
「どうして白い花が多いのですか。」
「葉っぱをよく見てごらん。春のころはまだ葉っぱが若い感じで,黄緑色っぽかったけど,今は葉っぱの色もこくなってきたでしょ。それで白い花がよく目立つということなんだ。よく目立つということは,虫たちにとってもうれしいということさ。」
「なるほど,そういうことですか。昔から花と虫はなかよしだったのですね。」
「そうですね。今の季節は白い花が多いですね。」
「そのとおりだね。花ちゃん! 今ごろ咲く花で白い花はどんなものがあるだろうね。」
「わたしの好きな花では,もう終わってしまったものもあるけど,ニセアカシア,エゴノキ,ウツギ,ミズキ,ヤブデマリ,ガマズミ,ノイバラ,また,白っぽい花も入れれば,ホオノキ,スイカズラなどもいいですね。」
「スイカズラという植物も校長室前にありましたね。ぼく見たよ。」
「それはそれはよく気がついたね。」
「ところで,ヤマボウシというのは,どういう意味ですか。山と帽子なの。」
「いい質問だね。植物の名前の由来,名前のわけを知ることは,とても大事なことだね。このヤマボウシとは,漢字では『山法師』と書き,白い部分が頭巾をかぶった法師(おぼうさん・僧)みたいだからなのさ。」
「モンタ博士,このヤマボウシは,春5月はじめに谷保駅前にたくさん咲いていたハナミズキによく似ているようですね。」
「そのとおり。さすがは花ちゃん。感心だね。よく覚えていたね。よく見ていたね。そのハナミズキとヤマボウシとは同じミズキ科のなかまなんだよ。」
「すごーい。花ちゃん。さすがだね。」
「同じなかまみたいだと思うこと,よくにているなと感じることが大切なんだ。生き物の世界はいろいろあるからね,名前を知ることも大事だけど,それ以上に何のなかまか分かることが大切だね。」
「生き物の世界って,いろいろなものがあるんですね。」
「これからもいろいろ探しに,みんなでてくてくしましょう。」
「そうしよう,そうしよう。」