2.植物の世界
(14)不思議な植物シリーズ
(286)セイロンベンケイソウ
「校長室前にある,モンタ博士の『不思議植物お知らせコーナー』もいろいろと増えましたね。」
「そうだね。エアプランツ,食虫植物,それから,緑の毛の坊やもいるね。」
「緑の毛の坊やは,伸びほうだいでしたが,とこやさんに行ったのかな。とてもきれいになっていたね。あれをモヒカンスタイルっていうんでしょ。」
「そうだよ。そのうち,毛をリボンで結んであげようかと考えているんだ。」
「それはおもしろそうですね。ところで,『不思議植物お知らせコーナー』はもう終わりなんですか。」
「そうではないんだ。まだまだ続くよ。それでは,みんなのために用意した植物があるから,写真を見てごらん。」
「何だろうな。葉っぱがあるだけみたいですが・・・。」
「そうかな,もっとよく見てごらん。写真はアップで撮ったものだよ。何か気がつくことはないかな。」
「よく見ると大きな葉っぱがありますが,そのはじっこから何か生えていますね。」
「そのとおりだね。もっともっとよーく見てごらん。」
「植物の芽みたいですが・・・。」
「そうね,芽みたいだけど・・・,でも,ちょっと変じゃないですか。ふつう,芽というのは,植物の成長の初めに見えるものですね。それから,少し成長すると,茎と葉の間から出るのがふつうですね。」
「そのとおりだね。でも,この植物は葉っぱからそのまま芽が出ているね。」
「葉から芽が出ているんだ。おもしろいね。」
「そうだね。それで,この植物の名前は『ハカラメ』(葉から芽)とも言うのさ。」
「そのまま名前になっているんですね。本当の名前は何というのですか。」
「正しくは,セイロンベンケイソウというんだよ。熱帯や亜熱帯など,あたたかい所にある植物で,日本では沖縄などの南西諸島や小笠原諸島に見られるものなんだ。」
「あたたかい所にあるんだ。ぼくも見てみたいな。」
「モンタ博士は,沖縄や小笠原諸島の父島や母島に行った時にたくさん見たよ。雑草のようにあちこちに生えているんだ。」
「わたしも見てみたいです。」
「そのうちに行ってごらん。まだ見たことのないいろいろな植物がいっぱいあると思うよ。」
「花はどんなようすなんですか。」
「つりがね型で黄色やオレンジ色があって,なかなかきれいな花だよ。」
「へえー。わたし,セイロンベンケイソウのお花を見てみたいです。」
「モンタ博士はね,このセイロンベンケイソウの芽を大事に大事に育てるつもりなんだ。お花が咲いたら,みんなで見ることにしよう。」
※後日,ある方よりセイロンベンケイソウの大きな個体をいただきました。以下写真でご紹介します。