4.自然界のつりあい・環境保全・地質と地形の世界
(3)自然環境の保全
5.各学年の授業実践・地域活動
(7)地域活動
(276)学校も街も花いっぱいになあれ!
「あれあれ? 三角の何かがあるね。なんだろう。」
「よく見ると,種みたいですね。」
「これは,植物の種だよ。左がコスモスで,右はヒマワリだね。」
「どうしてあるのですか。」
「この種は,去年,国立七小で咲いたコスモスとヒマワリの種なんだ。
みんなにあげるつもりで,三角の紙に種を入れたということさ。みんなで袋に入れたんだ。」
「わーい!わーい! それでは,国立七小の子供たちは,花の種をもらえるということですか。」
「もちろんだよ。たくさんたくさん作ったからね。みんなにあげるよ。来週のお昼休みに校長室前で配るから,ほしい人はぜひ集まってください。コスモスもヒマワリもどちらも一人1つずつはあげられるよ。」
「うれしいですね。たくさん作ったといいますが,どのくらいあるのですか。」
「コスモスは約500袋,ヒマワリは約800袋くらいあると思うよ。」
「へえー。そんなにたくさんあるんですか。国立七小の子供は357人なので,あまってしまいますね。」
「そしたら,JR南武線の谷保駅に置いておいて,ほしい人が自由にもらえるようにしようかと思うんだ。」
(下記※を参照してください。)
「すばらしいアイデアですね。ほしい人がおうちに持って帰って種をまけば,お花が咲いてうれしいでしょうね。」
「あっちこっちで花が咲いて,街ぜんたいが花いっぱいになるね。」
「みんなもおうちに持ち帰ってまいてごらん。お庭に植えてもいいし,鉢でもいいね。きっと楽しいよ。大きくなって花を咲かせるのが楽しみだよ。」
「種から芽が出て,どんどん大きくなっていく様子が観察できていいですね。」
「自分で育てるというのが,おもしろいですね。水をあげるのを忘れないようにします。ほかに何か気をつけることはありますか。」
「お日様によく当たるようにしたほうがいいね。特に肥料などは必要ないのがいいね。だれでもみんな,きっとたくさんの花を咲かせられるよ。」
「花いっぱいになったら,うれしいですね。」
「そうだね,小さな種から大きな花を咲かせたり,たくさんの花をつけたり,どうしてかな?どこにそんな力があるのかな,不思議だなと考えるのもいいね。ともかく,花を育てるということは,すばらしいことだね。」
「花があると,心が安らぎますね。気持ちが優しくなりますね。」
「緑の葉っぱを見ていると,目も休まって,体にもいいですね。」
「そうだね。いいことばっかりだ。さあ,みんなで種をもらいにおいで。」
花の効用
誕生日には花,お祝い事には花,愛の告白や病気のお見舞いにも花,お別れにも花,人生の最後にも花,人が亡くなっても花を供え故人を偲ぶなど,人間生活と花との関係性はとても深い。窓辺に一輪の花があるだけで,明るく癒しの空間になるから不思議である。花というものは,ものすごい大きな力があるように思う。
昔から人は花をとても大切にしてきたように思う。人は大昔から花の効用に気付いており,自然発生的に花を利用してきたのであろう。そして,それはいつの時代からも変わらない普遍的なものであるようにも感じる。このように考えると,花を愛するという思いや感情は,人間が人間としてあるべき本源的な大切な必須の条件でもあるようにも思うが,これは少し言い過ぎだろうか。花いっぱいの世界がたくさんになればなるほど,より人間的な感情の高まりや,やさしさや思いやり,感謝や尊敬の心情などにあふれた世界になると考える次第である。また,どこの国でも花を大切に扱ってきていると思う。それぞれの国々で咲く花をモチーフにし,芸術が生まれ尊ばれてきたと考える。世界中の人々に花は愛されている。万物躍動の春,花はその存在感を主張する。花には不思議な力があるものだ。
※おまけ・追加・特別編・・・モンタ博士とフッタ博士でJR南武線谷保駅に種置き速報は以下参照。
「フッタ博士! 何をしているの。」
「見てください。ここは谷保駅なんですが,『花のタネプレゼント』コーナーを作っているんです。」
「それはそれは,ごくろうさまです。何のタネがあるんですか。」
「国立七小に咲いていたヒマワリとコスモスのタネなんです。」
「この前,学校で子供たちみんなに配っていたものですね。」
「みんなにあげた後,まだまだたくさんのタネがあるので,谷保駅を利用している人に無料でプレゼントしてあげるんです。」
「そんなにたくさんあったのですか。全部でいくつ作ったのですか。」
「三角の袋でヒマワリは800袋,コスモスは500袋くらいだそうです。校長先生がラボで,子供たちとみんなで給食を食べ終わってから,おしゃべりしながら作ったそうですよ。」
「それは,すごいことですね。あちこちの子供たちのおうちにヒマワリやコスモスのお花が咲いたら,きれいでいいね。ところで,フッタ博士! みんなが使う駅に,それらのタネを勝手に置いてもいいのですか。」
「駅の改札を出ると,そこは国立市の管轄なんだそうです。それで,国立市役所で許可を得ているので,特に問題も心配もないということです。」
「なるほど,そういうことですか。それを聞いて安心しました。国立七小のみんなで育てたお花が,国立市のあちこちでまた花を咲かせ,『花いっぱい,笑顔いっぱいの国立市』になるといいですね。」