2.植物の世界
(12) 野菜・果物も植物だ! おどろきの世界
(275)キャベツ(野菜の観察)
「あれあれ? 右にはキャベツがあるよ。なんでだろう???」
「左の写真は,何かの植物の苗ですね。なんだろう???」
「左の写真は,3年生が理科のお勉強で植えるキャベツの苗だよ。うらの畑にはたくさんのキャベツが苗が植えてあるよ。」
「あ! そうか。キャベツなんだ。キャベツといえば,ロールキャベツ,ホイコーロー,ポトフ,野菜いため,野菜スープ,キャベツのお味噌汁,焼きそばにも入れるとおいしいね。トンカツに千切りキャベツってよく合うよね。」
「ちょっと待ってよ。オー君。キャベツのお料理の時間ではないですよ。
3年生の理科のお勉強のために,キャベツを植えたと言っているでしょ。」
「そうだよ。キャベツといえば,アブラナ科だね。アブラナ科といえば,どんな虫が来るのかな。オー君。よーく考えてごらん。」
「あ! そうか。わかった。モンシロチョウだ。モンシロチョウを呼ぶために,キャベツを植えたんですね。」
「そのとおりだね。3年生の理科で,虫のつくりや育ち方をお勉強するけど,そのためなんだね。お料理のために植えたんじゃないんだよ。」
「この前は,ダイコンのお話をしてくれましたが,ダイコンもアブラナ科でしたね。アブラナ科の植物って,いっぱいあるんですね。」
「そうなんだ。ナノハナもそうだけど,アブラナ科の植物って,昔から,人間生活と深い関わりがあるんだよ。それでは,モンタ博士の『野菜シリーズ』の2番目として,今日はキャベツのお話をしよう。何でも質問していいよ。」
「キャベツって,昔から日本にあったのですか。」
「キャベツは江戸時代に入ってきたけど,初めは観賞用だったのさ。葉ボタンっていうのを知っているかな。まったくそれと同じものなんだ。」
「キャベツは,いろいろなお料理に使われますが,世界中で食べているのかな。」
「いろいろなお料理があるから,世界中で食べているけど,日本人は特に好きみたいで,ある資料によると,フランスの6倍も生産しているそうだよ。」
「へえー。そんなに食べているんだ。トンカツには山盛りの千切りキャベツがぴったりだし,ぼくも大好きだ。」
「ところが,生のキャベツをもしゃもしゃ食べるのは,日本人だけみたいで,外国の人は,焼いたり煮たりいためたりすることが多いらしいよ。」
「キャベツって,それだけ栄養があって,体にいいということですね。」
「そのとおり,キャベツには,消化酵素のジアスターゼや胃腸の病気を治すビタミンUというものもあり,健康な胃腸のためになるものがたくさん含まれているんだよ。だから,千切りキャベツをおなかいっぱい食べても大丈夫ということなんだよ。胃腸薬の『キャベ??』もキャベツに由来するんだ。」
「そういうことなんですか。これからも,どんどん食べますね。ところで,キャベツも植物だから,花を咲かせるんですか。どんなお花なのですか。」
「キャベツは,わきの方から茎が伸びて花を咲かせるんだ。キャベツを半切りにしてみると,太い芯があるけど,この芯がキャベツの茎なんだね。半切りキャベツを水につけておくと,やがてこの茎が伸びて花を咲かせるんだ。花の色は,黄色なんだよ。アブラナ科の植物の特徴のある花だよ。」
「よーし! キャベツの花を観察,楽しそうだな。」
「そうね,それでは,いっしょに観察しましょうね。」