トウショキッズ 東書KIDS

  • HOME
  • みなさまへ
  • 保護者の方へ
  • 先生へ
花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
3.動物どうぶつ世界せかい
 (5)ハチのなかま
(263)ハチのひみつの世界 13 「アシナガバチ(2)」
オーくん
「アシナガバチのお(かあ)さんは,()(づく)りやたまごを()んだり(おお)いそがしですね。」

花ちゃん
()(おお)きくなったら,どうするんですか。たまごがかえったらどうするんですか。」

「それからがまた(おお)いそがしなんだ。(つぎ)(つぎ)()まれてくる(よう)(ちゅう)にえさをあげなくてはならないだろう。」
モンタ博士

花ちゃん
「えさはどんなものをあたえるのですか。」

「アシナガバチのえさはね,アオムシや毛虫(けむし)などの幼虫(ようちゅう)なんだよ。」
モンタ博士

オーくん
(いま)までのいろいろな()りバチと(おな)じように,麻酔(ますい)をかけて,幼虫(ようちゅう)のえさにするのかな。」

「そうではないんだ。(いま)までのハチとちがって,えさである幼虫(ようちゅう)()つけると,あごでかみくだいて,(あし)(くち)(にく)だんごにしてしまうのさ。」
モンタ博士

写真
花ちゃん
「おしりのハリはもう使(つか)わないのですね。」

「そうだね,ハリは,()(まも)るための武器(ぶき)として使(つか)うのさ。だから,むやみに巣に(ちか)づいたりすると,ハチにさされるというわけさ。」
モンタ博士

オーくん
「ハチの()()つけたら,そっとしておいてあげるほうがいいというわけですね。」

「そのとおりだよ。ハチだって,()(まも)るために必死(ひっし)なんだよ。」
モンタ博士

オーくん
「みんな()きていくために,一生懸命(いっしょうけんめい)だということですね。」

花ちゃん
「そうやって,母親(ははおや)バチは,何度(なんど)も何度も幼虫(ようちゅう)たちにえさをあげるんですね。」

「そうだよ。クモがあみをはっているだろうし,小鳥(ことり)()(ひか)らせているんだ。」
モンタ博士

オーくん
「お(かあん)さんバチの(いのち)がけの()(そだ)てが(つづ)くというわけですね。」

梅雨(つゆ)のころに,(あめ)()(なか)(はい)ったりすることがあるけど,そういうときには,(みず)をすい()したりするんだ。」
モンタ博士

花ちゃん
「よくはたらくんですね。」

「それからとても(あつ)()には,(みず)()にぬりつけてクーラーのようにして,ひやしたりもするんだよ。」
モンタ博士

オーくん
(みず)蒸発(じょうはつ)すると,まわりの(ねつ)をうばい,()をひやすわけですね。」

「それに,(はね)をふるわせて扇風機(せんぷうき)のように(かぜ)(おく)って,すずしくしてあげたりもするんだよ。ところで,(した)(しゃ)(しん)()て,(なに)()がつくことはないかな。」
モンタ博士

写真
オーくん
「アシナガバチの種類(しゅるい)がちがうようですね。」

「さすが,オー(くん)。よく()がついたね。でも,もっと簡単かんたんなことに気づいてほしいな。」
モンタ博士

花ちゃん
簡単かんたんなこと? たとえば,(ひだり)はハチがたくさんいるけど,(みぎ)は1ぴきだけとか。」

「ピンポーン。そのとおりさ。つまり,(みぎ)(はは)(おや)バチだけで(つく)っている()で,(ひだり)は,子供(こども)たちが()まれて(この(とき)はすべてメスバチ),()(づく)りのお()(つだ)いをしているというわけさ。」
モンタ博士

花ちゃん
「もう母親(ははおや)バチは()(つく)らないの。」

()(づく)りは子供(こども)たちにまかせて,たまごを()むことに集中(しゅうちゅう)するんだよ。」
モンタ博士

オーくん
「そして,だんだんと(おお)きな()になるということですね。」

「そして,(なつ)()わるころになると,(はる)から(いのち)がけで()(つく)ってきた(はは)(おや)バチが()んでしまうんだ。」
モンタ博士

花ちゃん
「そうすると,()はどうなってしまうのですか。」

「とても(おお)きくなった()は,母親(ははおや)バチの()んだたまごや(よう)(ちゅう)でいっぱいなんだ。そして,むすめバチたちが,のこされた幼虫のせわをして(そだ)てるのさ。」
モンタ博士

オーくん
(はは)(おや)バチもえらいけど,むすめバチもえらいですね。」

「そうだね。そして,(あき)にひとまわり(おお)きなハチが()まれ,そのハチは(つぎ)(はる)()(づく)りをする(だい)()なハチなんだ。」
モンタ博士

オーくん
「メスばっかりなんですね。オスはいないの。」

「オスはね,結婚(けっこん)していないむすめバチのたまごから()まれるのさ。」
モンタ博士

花ちゃん
「オスのハチも,母親(ははおや)バチやむすめバチと(おな)じようにはたらき(もの)なんですか。」

「ところがどっこい,オスはいつもぶらぶらしているそうなんだ。」
モンタ博士

オーくん
(あそ)んでばっかりいるのか。こまったやつだな。」

「ところがそうでもないんだ。オスの役目(やくめ)はね,メスと交尾(こうび)することなんだ。」
モンタ博士

花ちゃん
交尾(こうび)(あと)はどうなるのですか。」

「オスはその(あと),ちりぢりに()びさり,メスバチを(そだ)てあげたむすめバチも(つぎ)(つぎ)()んでしまい,(はる)からの(なが)()(づく)りも()わりになるというわけさ。」
モンタ博士

花ちゃん
「そして,(あき)()まれたメスバチだけが,ひっそりと(もの)かげや()(かわ)のところで(はる)をじっと()っているということですね。」

ウンチをしないアシナガバチの幼虫(ようちゅう)
 (たまご)孵化(ふか)して2(しゅう)(かん)ほどすると,幼虫(ようちゅう)は5(れい)幼虫(ようちゅう)になります。やがて,カイコのように(くち)から(いと)()いてマユを(つく)(はじ)めます。(せま)()()()(なか)()(あし)もない幼虫が(いと)()るのは,それはそれはたいへんな()(ぎょう)なのでしょう。マユの(なか)の幼虫はその(あと)脱皮(だっぴ)してさなぎになりますが,この(とき)になって,(はじ)めてウンチをします。それまで一度(いちど)もウンチをしなかったのは,それなりの理由(りゆう)があります。巣の部屋の中は狭く(からだ)()きを()えることもできず,(はは)バチも体を()れることができません。 その時,幼虫がウンチをし(つづ)けた()(あい),どうなるか(そう)(ぞう)してみると()かります。巣の部屋はたちまちよごれてしまい,カビが()えて幼虫が病気(びょうき)になってしまいます。そのため,ウンチはできるだけ体の中にため続けるしかないのです。さなぎになる(まえ)にウンチをして,()いだばかりの幼虫時代(じだい)(かわ)といっしょに,巣の部屋の(おく)()しつけてしまうそうです。
   てくてく自然散歩シリーズ
このページの先頭へ