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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
3.動物どうぶつ世界せかい
 (5)ハチのなかま
(257)ハチのひみつの世界 7 「クロアナバチ」
写真
花ちゃん
「あ! この()はバッタですね。」

オーくん
「これは,バッタではなくて,キリギリスだよ。」

花ちゃん
「え! ちがうんだ。なーるほど。」

オーくん
「コオロギともちがいがあるんだぜ。」

「そのとおりだね。どうちがうのか()かるかな。」
モンタ博士

オーくん
「おいら()ってるよ。バッタのなかまは昼間(ひるま)(うご)くものが(おお)くて草食(そうしょく)で,しょっかくも(みじか)いんだ。ところが,キリギリスやコオロギのなかまは,夜行性(やこうせい)肉食(にくしょく)雑食(ざっしょく)のものもいて,しょっかくは(なが)いんだ。それに,(はね)をこすり()わせて()(むし)(おお)いね。」

花ちゃん
「ふーん。なるほど,よく()かりました。」

「それでは,今日(きょう)は,キリギリスのなかまを()るハチのお(はなし)をしよう。」
モンタ博士

オーくん
「モンタ博士(はかせ)(した)()がそのハチですか。」

写真
「そうだよ。クロアナバチというんだ。えものは,キリギリスのなかまのツユムシやクサキリなんだ。しょっかくをくわえて(はこ)ぶんだけど,(ちい)さいえもののときには(そら)()んで()(ちか)くまで運ぶのさ。」
モンタ博士

花ちゃん
「ジガバチやベッコウバチのように,えものに麻酔(ますい)をかけるの。」

「そうだよ。でもね,ちょっとちがうところもあるんだよ。」
モンタ博士

オーくん
「え! どんなところがちがうのかな。」

「それはね,()(つく)(かた)なんだ。」
モンタ博士

花ちゃん
「どうちがうの。」

(した)()()てごらん。これがね,クロアナバチの巣なんだ。」
モンタ博士

写真
オーくん
「たくさん()があるんですね。」

花ちゃん
「1(かい)ごとに()づくりの()(しょ)()える,ジガバチやベッコウバチとはちがうのね。」

オーくん
「ジガバチやベッコウバチは一戸建(いっこだ)てのおうちだけど,クロアナバチはマンションみたいなんだね。」

「なーるほど,おもしろいたとえだね。では,(うえ)のクロアナバチの()()てごらん。(なに)()がつくことはないかな。」
モンタ博士

花ちゃん
A(エー)B(ビー)(おな)じみたいですね。」

「そうだね,どちらもマユになっているね。ほかに()がつくことはないかな。」
モンタ博士

オーくん
C(シー)E(イー)(おな)じみたいだ。でも,ツユムシの(かたち)はのこっているよ。(ちい)さいたまごみたいなものもあるようだ。」

花ちゃん
D(ディー)は,幼虫(ようちゅう)みたいなのがいるね。」

オーくん
「きっとクロアナバチの幼虫(ようちゅう)なのさ。」

「そうだね。えものをつかまえてE(イー)C(シー)みたいにたまごを()みつけるんだ。そして,その(あと)D(ディー)みたいにたまごがかえり,ツユムシをむしゃむしゃと()べて,(よう)(ちゅう)(おお)きくなるんだよ。」
モンタ博士

オーくん
「そして,A(エー)B(ビー)みたいにマユになるんですね。」

花ちゃん
「そして,春になると,マユからハチになるんですね。」

写真
 ()()では,よく()かりませんが,(そう)(しつ)につづく縦穴(たてあな)から横穴(よこあな)への通路(つうろ)をふさいで,(ひと)つの巣室を完成(かんせい)させます。
()完成(かんせい)するまでに
 ある(ひと)がキンモウアナバチというアナバチで何年間(なんねんかん)観察(かんさつ)したところ,()完成(かんせい)するまでには,2~3週間(しゅうかん)ほどかかるということが()かったそうです。また,とても(きょう)()(ぶか)(じっ)(けん)で,アナバチが(あな)()るのにどれだけの(つち)を掘り()したかという実験観察もしたそうです。すると,なんと,ある()では1868グラムも掘ったそうです。あの(ちい)さな2センチほどの(むし)のどこにそんなパワーがあるのでしょうか,とても不思議(ふしぎ)です。また,その人は,アナバチが1(かい)(つち)(はこ)びでどれだけの(りょう)の土が運べるか,アナバチが何回(なんかい)往復(おうふく)したかを調(しら)べたそうです。その結果(けっか),アナバチは1回の土運びで0.4グラムほど運ぶということが分かり,計算(けいさん)すると,な,な,なんと4670回も往復したことになるようです。
   てくてく自然散歩シリーズ
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