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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
2.植物しょくぶつ世界せかい
 (4)被子植物ひししょくぶつ単子葉類たんしようるい)のなかま
(238)カサスゲ
写真
オーくん
「あれあれ? おもしろい(かたち)をしたものがあるぞ。なんだろう。」

花ちゃん
「ほんとうだ。なんだろう。植物(しょくぶつ)にはちがいないみたいよ。」

オーくん
「そうだ。こいつは,コンペイトウ(そう)ということにしよう。」

花ちゃん
「そうね。いい名前(なまえ)ね。とげとげもあるし,ぴったしの名前だわ。あれあれ! この(くさ)(くき)三角形(さんかっけい)をしているわ。」

「ほほー,それはすばらしい発見(はっけん)だね。」
モンタ博士

オーくん
「へえー,そうなんだ。どれどれ,さわってみるか。なるほど,三角(さんかく)だ。」

「そうだね。ほんとうにさわってみるとよく()かるよね。自分(じぶん)(からだ)実験(じっけん)道具(どうぐ)にして,いろいろな自然(しぜん)のすがたを()ることが大切(たいせつ)だね。」
モンタ博士

花ちゃん
「ところで,モンタ博士(はかせ)。この植物(しょくぶつ)(なん)という名前(なまえ)なんですか。」

「これはね,『オニスゲ』というものなんだ。(かたち)がおもしろいから,みんなに()せてあげようと(おも)って()ってきたんだよ。」
モンタ博士

オーくん
「モンタ博士(はかせ)は,いつもいろいろなサプライズなものを()せてくれるね。おいら,とってもうれしいです。ところで,オニスゲの『スゲ』って,どこかで()いたことがあるなあ。」

花ちゃん
「そうね・・・。わたしもどこかで()いたことがあるわ。でも,(おも)()せない。」

「ヒントはね・・・,あたま・・・かぶる・・・だよ。」
モンタ博士

オーくん
()かった。あたまにかぶる『カサ』だ。」

花ちゃん
()かった。『スゲのカサ』ですね。スゲという(しょく)(ぶつ)()っぱを(なん)(まい)(かさ)()わせて(つく)るカサね。『かさこ地蔵(じぞう)』のかさだわ。」

「そのとおりだね。(いま)ではスゲのかさを(つく)っているという(ひと)はあまりいないそうだけど,このカサにするスゲを『カサスゲ』というんだ。」
モンタ博士

写真
花ちゃん
写真(しゃしん)のカサスゲとオニスゲとはずいぶんとちがうわ。」

オーくん
「そうだね。オニスゲは,()のところがばかでかいね。」  

花ちゃん
「それで,オニスゲというのかもしれないわね。」

「そうかもしれないね。」
モンタ博士

スゲという(しょく)(ぶつ)
 (はな)のよさというとその(いろ)()いや(かたち)(かお)りなどがあげられる。ところが,これらスゲの仲間(なかま)の花の(なん)地味(じみ)なことか。(いろ)黄緑(きみどり)だったりしてほとんど()()()んでこない(しょく)(ぶつ)。ところが以前(いぜん)は,
 ♪(なつ)(ちか)づく八十八夜(はちじゅうはちや)・・・ スゲのかさ♪
などと,(かさ)(みの)材料(ざいりょう)として重宝(ちょうほう)され()民権(みんけん)()ていたようであるが,(いま)はお土産屋(みやげや)さんにちょこっと(なら)(てい)()。どちらかというと,(すい)(でん)(ざっ)(そう)として()(きら)われ,()につくと()()かれる運命(うんめい)にある植物群(しょくぶつぐん)観察(かんさつ)のために,いくら採集(さいしゅう)しても(だれ)文句(もんく)()わない。そんな植物に()がいくようになってしまったモンタ博士(はかせ)植物病(しょくぶつびょう)もだいぶ末期的(まっきてき)であるようだ。  
   てくてく自然散歩シリーズ
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