1.身近な自然の観察
(5)自然観察・実験のてびき
3.動物の世界
(4)鳥のなかま
(225)目立つ動き,変わった動きをする鳥
「モンタ博士,この前は鳥の歩き方のお話で終わってしまったでしょう。動きについてのお話も聞きたいのですが・・・。」
「動きって,つまり,動作,身のこなしということかな。」
「そのとおり。鳥にはね,全部ではないけど,目立つ動きをする鳥がいるんだ。」
「そういう鳥から名前をおぼえていけばいいということですね。」
「たくさんの種類の鳥の中から,とくちょう的な鳥となかよしになればいいさ。」
「鳥の大きさ,形,歩き方,それから,とくちょうのある動きをする鳥を知ることが大切ですね。」
「下はキセキレイですね。」
「キセキレイやハクセキエイ,それからセグロセキレイなどは,みんな尾を上下にふったりするのがとくちょうなんだ。」
「おいらも,このセキレイのなかまは見たことがある。プールにも来ていたよ。」
「セキレイのなかまは,学校の前の川にもたくさん来ているよ。」
「他にもとくちょうのある動きをする鳥はいるんですか。」
「そうだね。モズという鳥もおもしろい動きをするよ。それはね,尾を回すようにふるんだ。」
「かわいい感じですね。ぜひ見てみたいな。」
「モズって,かわいい鳥じゃないよ。」
「どうしてなの,オー君。」
「だって,モズという鳥はネズミだっておそうそうだよ。ワシやタカみたいじゃないか。」
「かわいいかどうかは別として,モズは小さな動物だってとるんだ。くちばしの先がワシやタカのように少し曲がっていて,するどいのはそのためさ。それから,モズのはやにえというのは有名な話だよ。」
「モズっていろいろなとくちょうがあるのね。それから,モズは他の鳥たちの鳴き声をまねするのがとてもじょうずで,『百舌』と漢字で書くそうよ。」
「ものまねチャンピオンみたいな鳥だね。」
「モンタ博士,もう他に,変わった動きをする鳥はいないんですか。」
「最後は,ジョウビタキという鳥だね。この鳥は頭をちょこちょことふって,まるでおじぎをしているみたいなんだ。それに,尾をこきざみにふるわせるそうだよ。冬になると,わたってくる鳥だよ。」
「そういうのを冬鳥というんだよね。」
「私もおぼえているわ。冬鳥というのは,秋に北の方からわたってきて冬をこす鳥のこと。代表的な鳥はツグミ,マガモ,ジョウビタキなどね。」
「夏鳥というのもいるんだよね。春に南からやってきて,日本でたまごを産んだりして,ふえていく鳥なんだ。ツバメやオオルリなどが代表だ。」
「二人ともよくおぼえていたね。それじゃ,一年中同じ所にいる鳥は何だっけ。」
「それは,留鳥でしょ。ヒヨドリ,メジロ,ホオジロ,カラス,スズメ,セキレイなどだよね。それから,カルガモもだね。」
「へえー,カルガモも留鳥なんですか。」
「そうなんだ。ほとんどのカモは,春になると北に帰ってしまうけど,カルガモだけは,ちがうんだ。だから,カルガモは漢字で書くと,『夏留ガモ』なんだ。夏でも,留まっているカモという意味だね。」
モズのはやにえ
モズが有刺鉄線や木の枝やとげなどに,ミミズや昆虫,小動物などを刺しておくことをはやにえという。ネズミやヒミズなどの大きなえさを引きちぎるためとか,えさが不足した時の非常食を用意しておくためとも言われている。