1.身近な自然の観察
(6)天文現象・自然現象・暦
(203)旧暦の月の特別な名前といわれ
「きのうの夜は,とてもお月様がきれいだったね。」
「うん。おいらも見たよ。まん丸だったね。」
「わたしも見たわ。わたし・・・,お月様を見ると・・・何となく故郷を思い出してしまうの。やっぱり・・・わたしって,かぐや姫かな。」
「え! 花ちゃんがかぐや姫! そんな・・・。」
「え! オー君。何て言ったの。おとめ心が分からないの! もうきらい!」
「まあまあ,二人仲良くしようよ。それじゃ,今日は,月について考えてみよう。そうだ。二人にクイズだよ! さて,何て読むかな。」
「・・・シーン。」
「・・・シーン。」
「この文字はね,『きさらぎ』と読んで,2月ということなんだ。昔はね,1月から12月までを特別な言い方をしたんだね。」
「ふーん。そうなんだ。あれあれ・・・下にも何か書いてあるね。」
「睦月というのはね,『むつき』と読んで1月のこと。弥生というのはね,『やよい』と読んで3月のことなんだ。」
「へえー。そうなんですか。それでは,そのほかの月もいろいろな呼び方があるんですか。」
「そうなんだ。低学年の子は,名前をおぼえるだけでもいいよ。高学年の子は,どうしてそういう意味なのかも知っておくといいね。」
陰暦(いんれき)の月の名前とその意味
月 |
陰暦月名 |
読み方 |
意味(いろいろな説があります。ごく一般的な説です。) |
1月 |
睦月 |
むつき |
お正月で家族みんなが≪むつみあう月-仲良く≫の意味。 |
2月 |
如月 |
きさらぎ |
木や草が芽を張り出し,≪きくさはり月≫のこと。 |
3月 |
弥生 |
やよい |
草木が≪弥生・いやおい-ますますおいしげる月≫の意味。 |
4月 |
卯月 |
うづき |
うの花≪ウツギ・・・白い花≫のさく月という意味。 |
5月 |
皐月 |
さつき |
五月はもともと≪さ≫と読むから。五月晴れは,もともと五月雨≪さみだれ・・・つゆ≫のあいだのわずかな晴天という意味であったが,五月の晴れの日ということもある。 |
6月 |
水無月 |
みなづき |
水が田に≪満ち満ちて≫いる月の意味。水の月。 |
7月 |
文月 |
ふづき |
ふみづきともいう。歌を書いて奉納したことから。 |
8月 |
葉月 |
はづき |
いろいろな説があるが,木の≪葉≫が落ちる月のこと。 |
9月 |
長月 |
ながつき |
秋の夜長を鳴きとおすことから,秋の夜が≪長い≫月。 |
10月 |
神無月 |
かんなづき |
10月は神様が出雲に集まり神様が≪いない≫月だから。
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11月 |
霜月 |
しもつき |
霜≪しも≫がおり始める月だからというのが一般的。 |
12月 |
師走 |
しわす |
師とはお坊さん(僧)のことで,法事などでいそがしいから。 |