1.身近な自然の観察
(5)自然観察・実験のてびき
(191)アリの目,ガリバーの目-科学の目
「ねえねえ,オー君。この前の五感のお話だけど,とてもお勉強になったわね。」
「つまりさ,おいらは考えたんだけど,たとえば,カレーライスを目で見て,うまそうだなと思って,鼻でクンクンにおいをかいでみて,口に入れてみたら,もっとうまかったということじゃないのかな。」
「なるほど。オー君のたとえはとても上手だね。ところでさ,目で見るというのは,ただ見るということかな? どういうことだろう。」
「あれはサクラで,これはタンポポだと見ることじゃないのかな。」
「私も,目ではよく見ているつもりだけど・・・。」
「ところがそうじゃないんだよ。見るということだっていろいろな見方があるんだよ。アリさんになって見たり,ガリバーになって見たりといろいろあるんだよ。」
「アリさんになって見る・・・? どういうことかな?」
「アリさんになって見る・・・,つまりさ,自分がアリさんのように小さくなれば,まわりのものが大きく見えるということだよ。」
「アリさんになって見るということは,つまり,虫メガネを使って見るようなものという意味ですね。」
「そのとおりさ。虫メガネは,科学の目なんだよ。」
「科学の目! なんですか,そりゃ?」
「ふつうの目では見えないものを見るときに,虫メガネ,けんびきょう,双眼鏡というものもあるんだよ。虫メガネやけんびきょうを使って見ると,今まで見えなかったものも見えてくるし,双眼鏡を使えば,遠くのものだって,近くに見ることができるぞ。それは,それは,とっても楽しいよ。ちょっと科学者になった気分がするよ。」
「なーるほど。そういうことですか。ところで,ガリバーになって見るとは,どういうことなんですか。」
「つまり,こういうことかもしれないわ。あのね,ガリバーのようになって見るということは,ガリバーのように大きな人になって見ること。つまり,広く見たり,全体を大きく見ることですね。」
「なーるほど。アリになって見たり,ガリバーになって見たりということは,とても必要なことなんですね。」