トウショキッズ 東書KIDS

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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
2.植物しょくぶつ世界せかい
 (3)被子植物ひししょくぶつ双子葉類そうしようるい)のなかま
 (4)被子植物ひししょくぶつ単子葉類たんしようるい)のなかま
(188)がぱっくりひらいて・・・アケビ!
写真
オーくん
「あれあれ? でっけえウインナーだな?」

花ちゃん
「ちがうでしょ。オー(くん),よく()て。」

オーくん
「そういえば,ウインナーにしては,(ふと)すぎるなあ・・・。」

「え! どうしたの。(なん)だ,こりゃ? ()たことないな・・・。」
ある男先生

「わたしにも()せて! え! (なに)これ?」
ある女先生

花ちゃん
先生(せんせい)たちも()らないんですか。こまっちゃうな。」

「と()われても,()たことないもんな・・・。」
ある男先生

「そうか,そうなのか・・・。無理(むり)ないかもね。でも,これは,デパートなんかだと,(ひと)つ200(えん)とか300円するんだよ。」
モンタ博士

「200(えん)! 300円! そんなに(たか)いの? どこで()()れたの。」
ある女先生

「あるお友達(ともだち)のおうちにいっぱいあるそうでね,わざわざ学校(がっこう)まで()ってきてくれたんだよ。
(むかし)()どもは(やま)(はい)って()っては,おやつにしたそうだよ。」
モンタ博士

「おやつ? それじゃ,()べられるんですか。」
ある女先生

花ちゃん
「そうよ。つぶつぶが(おお)いけど,とってもあまいのよ。」

オーくん
「それでは,いただきまーす。もぐもぐ・・・,こりゃ,あまいね・・・。でも・・・。」

「ぼくも・・・もぐもぐ・・・,あまいけど・・・,(たね)ばっかりだ。」
ある男先生

(たね)はプイッと,はき()していいんだよ。」
モンタ博士

オーくん
「もぐもぐ,ところで,これは(なん)ていうんですか。」

()をよく()てごらん。ぱっくりと()いているだろう。だから・・・。」
モンタ博士

()かった! アケビだ。アケビって,これだったのか。なーるほど。」
ある男先生

()(もの)名前(なまえ)というのは,その物のようすや(かたち)特徴(とくちょう)からつけられたものが(おお)いんだね。」
モンタ博士

オーくん
「そうだ! カブトムシは,(あたま)(かたち)がカブトだし,クワガタは,クワの形をしているもんな。」

花ちゃん
「そうですね。ゆれてさくから『ユリ』でしょ,カエルの()みたいだから,『カエデ』でしょ,(おお)きな()だから,『ダイコン』でしょ,ねじれてさくから『ネジバナ』でしょ・・・,いっぱいいっぱいあるわ。」

オーくん
「たけえなーと(おも)うから『タケ』だろ,もーみごとな()だから『モミ』だろ,ほおーと思うから『ほおのき』か・・・。」

花ちゃん
「う・・・,ちょっとちがうような(かん)じもするけど・・・。まあ,いいか。」

「ともかくも,()(もの)名前(なまえ)って,けっこうおもしろい関係(かんけい)にあるんだね。さあ,それでは,アケビをみんなで()べようか。」
モンタ博士

アケビのつぶやき
 ハーイ! (わたし)はアケビです。つるになる植物(しょくぶつ)で,『ジャックと(まめ)()』みたいに,つるであちこちの木にからんで,どこまでもどこまでも()びていきます。私のつるはとても丈夫(じょうぶ)で,(とく)にミツバアケビのつるはアケビ細工(ざいく)などでも使(つか)われます。アケビは(はる)(がつ)~5月に,うすいむらさき(いろ)(はな)()かせます。花にはおいしい(みつ)がまったくないので,昆虫(こんちゅう)たちは花粉(かふん)()()てに(あつ)まります。では,花粉がない雌花(めばな)はどうするのでしょう。雌花は雄花(おばな)そっくりの(かたち)をとり,おまけに(おお)きさも(ばい)くらいにして,(なが)()をつけて前面(ぜんめん)()目立(めだ)つように工夫(くふう)しています。昆虫たちは,りっぱな雄花と()(ちが)えて「こりゃ,ラッキー!」と(おも)うのでしょう。(よう)するに,これがアケビの花のだましのテクニックなのでしょう。そして,長い進化(しんか)過程(かてい)でアケビが獲得(かくとく)してきた「()(のこ)戦略(せんりゃく)」の(ひと)つなのでしょう。
   てくてく自然散歩シリーズ
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