1.身近な自然の観察
(4)生物と日本人のかかわり
(176)冬至・カボチャ・ユズ
「そろそろ来年のカレンダーがほしい季節になりましたね。」
「そうだね。カレンダーと言えば,こよみを思い出すけど,昔は月の満ち欠けをもとにして作っていたんだよ。それでね,1年が13か月ある年もあったんだよ。」
「今のこよみでは,うるう年は1日多いだけだけど,昔のこよみでは1か月も多かったのか。なんかとてもおもしろそうだなあ。」
「それでね,昔の人は,月日と季節のずれがあるので,そこで,考えたのが春分,夏至,秋分,冬至なんだ。」
「そういえば,あさっては,もう冬至ですね。冬至は昼間がいちばん短い時ですね。」
「冬至には,カボチャを食べて,ユズのおふろに入るんでしょ。」
「そうすれば,ぜんぜん病気をしないで,元気になるんでしょ。」
「昔から行われている習慣(しゅうかん―長い間にくり返されてきたこと。しきたりともいう)なんだよ。」
「モンタ博士。どうして,冬至には,カボチャを食べるんですか。」
「カボチャを食べるとかぜなどを引かないそうなんだ。」
「ほんとうですか。でも,どうしてですか。」
カボチャ
「カボチャは,色のこい野菜だろう。だから,ビタミンAやビタミンCが多くてね。それで,かぜを引かなくなるそうだよ。それから福が来ると言われて,おめでたい野菜なんだね。」
「でも,カボチャって,とれるのは,夏ですよね。」
「そのとおり。カボチャは夏の太陽のめぐみをたっぷりと受けて,冬までとっておける野菜なんだ。昔は,冬になると,緑や黄色の野菜が少なかったんだろう。それで,カボチャがとても大切な野菜だったんだね。」
「ふーん。そうなんだ。それじゃ,ユズのおふろはどうしてなの。」
ユズ
「ユズをうかべたおふろは,かおりがいいし,よくあたたまるそうなんだ。」
「それだけなんですか。」
「それから,血液の流れをよくしたり,ひびやあかぎれ,かぜなどの予防にもなるといわれているんだよ。」
「ふーん。昔からあるものって,どれもこれもみんな意味があるんですね。おいら,とってもお勉強になったぞ。」
「それから,冷え性や神経痛,腰痛にもいいそうだ。おじいちゃんやおばあちゃんにも教えてあげるといいね。」