3.動物の世界
(5)ハチのなかま
(171)ハチの巣はどうして六角形なの?
「わあ! いろいろなかたちのハチの巣があるわ!」
「これはみんなアシナガバチの巣だよ。いろいろあるんだね。この前も,モンタ博士が『1年生にハチの巣をもらった』とよろこんでいたよ。ところで,ハチは種類によって形がちがうんだね。」
「でも,幼虫のいた部屋はみんな六角形だよ。」
「そうだね。一つ一つの部屋を横から見ると,水晶のような錐体と角柱の組み合わせなんだけど・・・,それはおいといて。なぜハチの巣は六角形なのかな?」
「うーん。ハチだから八角形! ・・・というなら分かるけど・・・。」
「ダジャレを言っている場合じゃないでしょ。どうしてきれいな形にならべて作れるのかしら。」
「ハチは口から出す液をもとに,木のかすなどを使って巣のかべ作るんだ。その時,しょっかくをものさしがわりに使うんだ。」
「体が道具なんですね。でも,なぜ六角形なの? 同じ形をどんどん作るなら,真四角の方がかんたんそうだけどな・・・。」
「そうだね。ここから算数の話になるけれど,同じ図形ですきまなくならべられるのは,正三角形・正四角形(正方形)・正六角形の三つしかない。同じ量の材料でかべを作るとき,この中で一番広い部屋を作れるのが正六角形なんだ。」
「へえー,よくできているのね。せまい部屋じゃ育ちにくいものね。」
「でも,ハチは算数ができるわけじゃないですよね?」
「そう。ハチの体のどこかに『自然界の形のきまり』がしまってあって,巣作りに生かしているんだろうね。カメのこうらにも六角形があるけれど,調べてみると『自然界の形のきまり』がだんだん見えてくるんだ。みんなもさがしてみようよ。」
長さ12cmの工作用紙で作った図形。正六角形は正三角形のおよそ1.5倍,正方形より10数%広い部屋になる。