2.植物の世界
(3)被子植物(双子葉類)のなかま
(13)植物で健康シリーズ!薬の世界
(161)苦い苦いセンブリ
センブリ
「モンタ博士! この前()の土()曜()日()に,ある所()で,すごい植()物()を見()つけちゃいました。」
「すごい植物()? いったい何()を見()つけたの。」
「ふむふむ,なになに? ある所()で・・・。」
「白()い花()で,よく見()るとむらさき色()のすじが入()っていて,高さは15cm()くらいでした。上()に絵()をかいてきました。」
「ぎょ! これは,センブリだね。へえー! よく見()つけたね。」
「え! ドンブリ・・・?」
「ちがうわよ。センブリですよ。とてもかわいいお花()ですよね。」
「それにしてもよく見()つけたね。このセンブリというのは,それはそれは有名()な薬草()なんだよ。」
「え! ドンブリが薬()になるの。何()の薬なの。」
「何度()言()えばいいの。ドンブリではありません。センブリです。」
「オー君()。このセンブリはね,とてもにがくて,胃()のお薬()になるんだよ。」
「え! とてもにがいんですか。」
「センブリというのはね,とてもにがくて,千()回()ふり出()しても,まだにがいと言()われているんだ。」
「ふり出()すって? ・・・どういうこと。」
「ふり出()すというのはね,ティーバッグのようにお湯()や水()に成分()をとかし出すことだよ。」
「モンタ博士()! にがいっていうけど,どのくらいにがいんですか。おいらちょいと実験()してみるね。それでは,葉()っぱを1枚()だけちょいといただいて・・・。」
「あ! ちょっと待()って!」
「あ! ちょっと待()って!」
「もぐもぐ・・・,ゲーッ! ワーッ! オーッ! アーッ! ウーッ! ヒーッ!」
「あーあ。食()べちゃった。」
「あーあ。食()べちゃった。」
「ゲーッ! ワーッ! オーッ! アーッ! ウーッ! ヒーッ! やっぱり,『良薬()は口()ににがし』だ!」
センブリのつぶやき
センブリは秋()の花()。山()の草原()や明()るい林()の中()などで可憐()な花を咲()かせ,目()を楽()しませてくれます。『良薬()は口()に苦()し』のことわざがぴったりする薬草()で,その苦さは強烈()で,食欲()不振()や消火()不良()の時()など,ほんのわずかでも胃()の薬()になります。センブリは栽培()がとても難()しい野草()といわれ,小()さい草()なので,量()を集()めるのも苦労()し,高価()な薬草だったそうです。そこで,いろいろな学者()が集まり,その栽培方法()を研究()したそうで,そのうち,みごとに量産()できるまでになりました。しかし,このセンブリは少量()でも効()き目()があり,たくさん作()っても需要()が伸()びなくて,供()給()も少()なく,結()局()は苦い思()いをしたそうです。