2.植物の世界
(6)種子を作らない植物のなかま
(155)いろいろなコケ
「うわあー。こりゃ,何ですか。」
「キノコみたいだけど・・・,ちがうみたいね。でも,何だかとってもかわいいですね。それに,形がユーモラスですね。」
「そうだね。おもしろい形をしているね。」
「緑色をしているから,植物でしょうね? でも,何だろう。何のなかまかしら。」
「上の写真はね,ゼニゴケという『コケ植物』のなかまなんだよ。」
「そうか! コケか。ところで,緑色をしている植物というのは,光合成というのをしているんでしょ。」
「さすが,オー君はむずかしい言葉を知っているね。光合成というのは,葉緑体という緑のもとを持っていて,自分で栄養を作り出す生き物なんだよ。むずかしい言葉で『独立栄養』ともいうんだ。」
「キノコやカビとはちがうということですね。」
「キノコやカビなどは,自分以外のほかの生き物に栄養をたよっているので,従属栄養というんだよ。むずかしいお話になって,ごめんね。ところで,コケ植物は,種子植物とも大きなちがいがあるんだけど,知っているかな。」
「・・・???」
「・・・???」
「ちょっとむずかしかったかな。それじゃ,ふつう植物はどうやってふえるんだったかな。」
「それは,もちろん,種や球根を植えたりするわ。」
「それから,枝をさしたりするだけでも,植物は成長したり,ふえたりするよ。」
「ところが,コケ植物は種がなくて,その代わりに胞子というものでふえていくんだよ。この胞子というのは,シダ植物やキノコ,カビなども持っているんだよ。それじゃ,下の表にまとめてみるよ。」
- |
胞子でふえる |
葉緑体がある |
水や養分の通り道がある |
種子でふえる |
キノコ・カビ |
〇 |
✕ |
✕ |
✕ |
コケ植物 |
〇 |
〇 |
✕ |
✕ |
シダ植物 |
〇 |
〇 |
〇 |
✕ |
種子植物 |
✕ |
〇 |
〇 |
〇 |
※水や養分の通り道のことを維管束といい,シダ植物以上を維管束植物といい,キノコ・コケにくらべて進化している。