1.身近な自然の観察
(1)昆虫と植物
3.動物の世界
(6)チョウ・ガのなかま
6.その他
(4)実験・観察・調査から
(142)アゲハチョウの食草摂取量の実験(結果)
「ところで,モンタ博士。どうして,こんな実験をしようと思ったんですか。」
「ところがね,あれは,ある本で読んだことをまとめたものなのさ。自分で実験したことではないだろう。そこが,何だか気にいらなくて,自分で調べてみればまちがいないだろうと思ったからなんだよ。」
「ふーん,そうなんですか。」
「でもね,実験が全部正確にできたかというと,問題点もあったね。葉っぱの大きさだって,いちおうはかったけど,少しは誤差(正しいあたいとはかったあたいのちがい)があったと思うんだ。下は,8月3日から8月23日までに食べた葉っぱを黒くスケッチしたものだよ。」
「食べた葉っぱを黒くぬってどうするの。」
「それを写真のようにハサミで切りぬくのさ。」
「それから,どうするの。」
「切りぬいた葉っぱを集めて,全部の重さをはかりではかるんだ。」
「それから,どうするの。」
「幼虫には,食いしんぼうの幼虫もいるし,食欲のあまりない幼虫もいるだろう。だから,3びきの幼虫で調べて,その平均を調べたのさ。」
「ふーん,そうなんですか。それで,3びきの幼虫はどのくらい食べたんですか。」
「モンキ太郎が2.5g,モンキっちが1.7g,モンキ三郎が2.1gの重さの画用紙を食べたというわけさ。」
「でも,それって,紙の重さだよね。葉っぱの大きさとはちがうよね。どうやって,食べた紙,つまり葉っぱの大きさが分かるの。」
「ここからが大切なところだよ。よーく聞いてほしいね。まず,同じ画用紙の10cm×10cmの重さをはかるんだ。」
「10cmの正方形ですね。それで,どうするの。」
「10cm×10cmの重さをはかったら,0.7gあったんだよ。それで,ここからがちょいとむずかしいんだけどね・・・。」
「あれ! ちょっと待って,モンキ三郎は,2.1g食べたんでしょ。10cm四方の正方形が0.7gだから・・・。つまり,3倍食べたということだ。だから,10cmの正方形が3つというわけだ。ようするに,300cm2だ。」
「そうだよ,そのとおり。同じようにモンキ太郎とモンキっちを計算すると・・・。2.5gは0.7gの何倍かというと,2.5÷0.7=約3.6倍だ。1.7gは0.7gの何倍かというと,1.7÷0.7=約2.4倍だ。つまり・・・だいたいだけど,モンキ太郎は360cm2,モンキっちは240cm2 食べたことになるのさ。」