1.身近な自然の観察
(1)昆虫と植物
3.動物の世界
(6)チョウ・ガのなかま
(94)浅葱色のチョウ・・・アサギマダラ
「うわあー,きれいなチョウね。」
「大きくて,きれいで,りっぱなチョウだ。名前()はアサギマダラというのさ。」
「アサギマダラ? 初()めて聞()く名前()のチョウね。」
「アサギとはわかいネギという意味()で,緑()がかった青色()なんだ。夏()の間()は,高原()などにいて,今()ごろになると,低()い山()におりてくるんだ。学()校()の近()くのあちこちで飛()んでいるよ。」
「へえー! こんなチョウが飛()んでいたら,きっとステキでしょうね。」
「そうさ,ゆっくりと流()れるように飛()ぶんだ。暗()い林()でも,このチョウが飛んでいると,あたり一()面()が明()るくかがやくように見()えるから不()思議()だね。」
「え? いま,オー君(),なんて言()ったの。ゆっくり飛()ぶって言った?」
「うん,そうだよ。このチョウは,ちょうゆっくりと飛()ぶんだ。」
「それって,おかしくないの。ゆっくり飛()んでいたら,鳥()に食()べられちゃうわ。」
「それが,そうじゃないんだな。アサギマダラというチョウは,たいへんよく目()立()ち,飛()び方()もゆるやかなのさ。そうすると,てきにおそわれたりしないのかというと,それとはぎゃくで自分()から目立とうとしているんだ。」
「自分()から目立()つの?」
「それはね,アサギマダラは,幼虫()の時()に食()べた植物()(キジョランという葉()っぱ)にふくまれているまずい物質()を成虫()になってからも体()の中()に残()しているからなんだ。鳥()がつかまえて,食べようものならはき出()してしまい,次()には食べようとしないのさ。」
「なーるほど。そういうことだったのね。」
「テントウムシのあの美()しい色()ともようも,自分()がまずい虫()だと知()らせるはたらきをしているんだよ。あ! モンタ博士()だ。ぼくの言()うとおりですよね。」
「そうだね。よく調()べてあるね。アサギマダラは幼()虫()やさなぎも目()立()つのさ。それにしてもオー君()はよく研()究()しているね。モンタ博士()も葉()っぱを食()べたあとのことや,さなぎのこと,それから,アサギマダラは,鳥()のように何()千()キロもわたりをすることもお話()ししたかったけど,まただね。ともかく,動物()の体()の色()やもようは,てきから身()を守()るのに,大()きな役()わりをはたしているということさ。そればかりか,えものを取()るのに役()立()っている場()合()もあるよ。動物()の体()の色()やもようは,生()きていくための,自然()のしくみの一()つなのさ。」
丸()いのは幼虫()が食()べたあと ふつうとちがってたれさがるさなぎ