トウショキッズ 東書KIDS

  • HOME
  • みなさまへ
  • 保護者の方へ
  • 先生へ
花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
2.植物しょくぶつ世界せかい
 (3)被子植物ひししょくぶつ双子葉類そうしようるい)のなかま
 (12)野菜やさい果物くだもの植物しょくぶつだ! おどろきの世界せかい
(84)キュウリは黄瓜きうりなのだ
写真
オーくん
「な,な,(なん)だ? こりゃ?」

花ちゃん
(わたし)(はじ)めて()るわ。(なん)でしょう?」

「これは,みんながよく()べているものだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「ヘチマかな・・・。いや,ちがうみたいね。」

オーくん
「あ! おいら()かった。キュウリのおばけだ。」

「ピンポーン,そのとおり。キュウリだね。(おお)きくなりすぎて,ヘチマみたいだね。」
モンタ博士

オーくん
「でも,モンタ博士(はかせ)。ふつうのキュウリとちょっとちがう(かん)じがしますが。」

花ちゃん
「そうね。いつもおうちで()べているキュウリはもっと緑色(みどりいろ)をしているわ。このキュウリは,(なん)だか黄色(きいろ)っぽいですね。」

「そうだね。キュウリは,本当(ほんとう)は,『キュウリ』ではなく,『キウリ』つまり『黄色(きいろ)いウリ』ということなんだ。みんなが()べるキュウリは,まだ成熟(せいじゅく)していないウリなのさ。」
モンタ博士

写真
オーくん
「そうか,キウリ,キウリと()っていると,キュウリと言っちゃうね。」

「『十本』はじゅっぽんではなく,(ただ)しくは,『じっぽん』というだろう。それと(おな)じさ。十は『じゅう』ではなく,『じふ』と発音(はつおん)していたんだ。だから,『じっぽん』なのさ。『じふ』は発音しにくいので,そのうち,『じゅう』と発音するようになったけど,『十本』を『じっぽん』とする()(かた)だけが(のこ)ったと,ある(ほん)()いてあったよ。」
モンタ博士

オーくん
「ふーん。(なん)だかむずかしいお(はなし)になったな。ともかく,キュウリは,もともとは,黄色(きいろ)いウリということなんですね。でも,ちょいと()って! なぜ,黄色いウリを()べないで,緑色(みどりいろ)のキュウリを食べるようになったの。」

「むかしはね,この黄色(きいろ)いウリを()べていたのさ。ところが,メロンの仲間(なかま)など,キュウリよりもうまいウリができてきたんだ。そこで,成熟(せいじゅく)していないウリを食べたら,みずみずしくて,おいしいということになったのさ。それが,(いま)のキュウリの(はじ)まりなのさ。」
モンタ博士

おちこぼれのキュウリのつぶやき 
 おいらはキュウリだ。()がりくねってしまって,すんなりとスマートでもない,イケメンキュウリとは()えない。ところがどっこい,(あじ)はそんなに(わる)くないのさ。おいらを()て,見てくれが(わる)いとか,(はこ)()めしづらいとか,そんなに()ちこぼれにしないでほしいね。最近(さいきん)じゃ,曲がったキュウリを(つく)らないために,オモリをつけたり,(まる)(つつ)()れるらしいからね。でも,よく(かんが)えてほしい。キュウリだって()(もの)だ。(おな)環境(かんきょう)にいても同じものができないというのが生き物の世界(せかい)のおもしろさだし,すばらしさだ。そんじょそこらの工業(こうぎょう)製品(せいひん)のように同じものを(もと)めないでほしいね。収穫(しゅうかく)されたキュウリの(おお)きさや(かたち),曲がり()(あい)(とう)(きゅう)()められ,(がい)(けん)だけでより()けてほしくないね。最近(さいきん)偏差値(へんさち)とか学歴(がくれき)とか,それに統一(とういつ)された評価(ひょうか)基準(きじゅん)判断(はんだん)される傾向(けいこう)があり,選別(せんべつ)()きな()(なか)になっちまったね。(にん)(げん)(さま)()どもたちにオモリをつけたり,(かた)にはめたりして,個性(こせい)とかいうものが重要(じゅうよう)()されなくなっちまった世の中なんて,おいらはあまり()きじゃないねー。
   てくてく自然散歩シリーズ
このページの先頭へ