2.植物の世界
(3)被子植物(双子葉類)のなかま
(12)野菜・果物も植物だ! おどろきの世界
(81)ゴーヤのひみつ
「あ! ゴーヤが,ば・く・は・つ・してる!」
「本当だ。ゴーヤが黄色くなっているわ。」
「真っ赤な種みたいのがあるよ。ぼく,初めて見るよ。」
「きっと,ものすごくにがいんでしょうね。」
「あれあれ! ゴーヤだね。これはうまそうだ。みんな食べてみるかい。」
「え! 食べるの? いやだよ。ゴーヤって,にがいんでしょ。ぼく,やだな。」
「わたしも,にがいのは苦手だわ。」
「そうか・・・。にがいから,ニガウリという名前になったんだよね。こまったね。だれか,食べたい人,いないかな。」
「それでは,ぼくが食べてみまーす。もぐもぐ・・・もぐもぐもぐ・・・。あまーい。ちょうあまーい。すごーく,あまーい。」
「そうだよね。あまいよね。花ちゃんもオー君もなめてごらん。」
「あまーい。あまーい。」
「ところで,モンタ博士。どうして,こんなにあまいんですか。」
「いい質問ですね。なぜ,あまいかというとね。それは,実がしっかりと成長して,熟したということなんだよ。つまりね,ふだんぼくたちが食べているゴーヤは,まだ熟す前ということなんだ。」
「どうして,熟す前だとにがいのですか。」
「またまた,いい質問だね。野菜だって生き物だ。人間が食べるために育てているけど,本当は仲間をふやしたいのさ。そこで,虫や鳥に食べられないように,自分の体をにがくしているのさ。ピーマンも,へんな味がするけど,パプリカという熟した黄色や赤のピーマンの仲間はあまいだろう。カキだって,しぶいときは青く,熟すと赤くなるよね。」
どうして,このごろゴーヤがブレイクしているの?
昔といっても20
年か30年ほど
前の
話であるが,ゴーヤはそれほど
一般的に
食べられていなかった。
今ほどブレイクしていなかったのである。
沖縄料理には
欠かせないゴーヤが,
最近はあちこちのスーパーなどでもよく
売られ,
普通の
家庭でもよく食べられるようになった。それはなぜかというと,
以下のようなわけである。沖縄にはウリ
科植物につくウリミバエという
大害虫がいた。このハエが
日本全国に
広がっては
困るということで,沖縄が
日本に
返還されてからも
野菜の
輸出は
禁止されていたのである。そこで,このウリミバエの
根絶のために,ある
大作戦が
考えられた。それは,
放射線を
当てて
受精能力を
失わせた
雄のウリミバエを
大量に
飼育し,
野外に
放つという作戦である。すると,どうなるだろうか。大量に放たれた雄のウリミバエと
受精した
雌は,
正常な
卵を
産むことができなくなってしまうというわけである。これを
繰り
返すことにより,ウリミバエを
減らしていったのである。20
年間に
約530
億ひきもの,
受精能力のないウリミバエの
蛹がヘリコプターによってまかれたというから,
何とも
壮大な大作戦であったわけである。