4.自然界のつりあい・環境保全・地質と地形の世界
(2)外来種
(72)夜咲く花・・・オオマツヨイグサ
「ねえ,花ちゃん,きょうは,ホタルがたくさん見られてよかったね。」
「そうね。わたし,ホタルだーい好き。」
「ホタルが見られたり,いろいろな虫に会えたりして最高だね。」
「そうね,季節ごとにいろいろな花がさいて最高だわ。」
「そうだね。これからもどんどん自然のすばらしさを見つけていこうね。」
そんなわけで,みんなで「ホタルを見る夕べ」が終わり,おうちに帰る,その時・・・。
「あ! なんだ。今の黄色の?」
「見た見た! 私も見た。」
「二人ともよく気がついたね。それじゃ,みんなで見に行こうか。」
「うわあー! 大きな花!」
「クンクン,クンクン,におうね,このお花。」
「この花,何ていう名前なの。」
「これはね,オオマツヨイグサというんだよ。それからツキミソウ(月見草)ともいうね。」
「どうして,この名前になったの。」
「オオとは大きいという意味だね。待(ま)つ宵(よい)の宵とは,夜という意味なんだ。夜を待つようにして花をさかせるということなんだ。」
「どうして,こんなににおうんですか。」
「どうしてだろう・・・,考えてごらん。」
「花は,虫たちによく見えるように,きれいな色の花をさかせるんだよね。でも,夜だと,その色が見えない・・・。あ! そうか。色のかわりににおいで虫をよびよせるんだ。」
「そのとおり,ピンポーン。夜に花をさかせるものは,強いにおいを出すものが多いね。それから,暗くても目立つように白や黄色の花が多いんだよ。」
オオマツヨイグサ
オオマツヨイグサのつぶやき
私は,明治時代に日本にやってきた帰化植物です。宵待草とか,月見草とかよばれますが,正しい名前は,オオマツヨイグサといいます。私の名前を一躍有名にしたのは,太宰治と竹久夢二という人です。
太宰治の『富嶽百景』の中に,「富士には,月見草がよく似合う。」という一節があるそうです。また,竹久夢二の「宵待草」の歌詞に「♪待てど暮らせど来ぬ人を 宵待草のやるせなさ♪」とあります。お二人に,この場をお借りし,心より感謝申し上げます。