1.身近な自然の観察
(1)昆虫と植物
(43)字書き虫 1
「あれ? この葉っぱ,何か変だわ。」
「どうしたの? 花ちゃん。」
「このハナダイコンの葉っぱをよく見て。」
「どれどれ,あ,なるほど。あいつのしわざだ。」
「あいつって,だれのことなの? 教えて。」
「字書き虫さ。くわしくは,モンタ博士に聞こう。」
「モンタ博士,字書き虫って,何ですか。」
「花ちゃん,よく見つけたね。字書き虫というのはね,その前に,オー君も虫博士だから,いろいろなことを知っているだろう。話してごらん。」
「名前はわすれちゃったけど。ハエやハチ,それから,ガの仲間にもいるんだけど,葉っぱの中に,親がたまごを産んでね,たまごからかえった幼虫が,葉っぱを食べるのさ。幼虫がモグモグと葉っぱを食べて,トンネルみたいに食べたあとに,道ができるんだよね。モンタ博士。」
「葉っぱを食べたあとが,字を書いたように見えるから,字書き虫というんだ。」
「なるほど,なるほど。それで,何という虫なんですか。」
「昆虫図鑑に書かれているものでは,キツネノボタンハモグリバエ,ヨモギハモグリバエ,イエノハモグリバエなどがあるね。そのほかに,ハモグリバチやハモグリガもいろいろいるんだよ。」
「そう,そう。葉っぱにもぐるから,そういう名前なんだ。」
「葉っぱにもぐるから,ハモグリバエなのね。なっとく,なっとく。」
「名前が分かっただけでもいいけどね。せっかくだから,よく見てごらん。何か,気づくことないかな?」
「よーし,よく見るぞ。まかせとけ。」
「私は,ルーペを使ってみるわ。よーく見なくちゃ。」
「あれ,トンネルの,白い道が・・・。」
「あ,ほんと。細いのと,太いのがあるわ。」
「なるほど。幼虫の小さい時は,細いんだ。大きくなると,太くなるんだ。」
「そのとおりだね。まだ,何が気づいたかな。」
「黒いつぶつぶがトンネルにあるわ。」
「分かった。ウ,ウ,ウンコだ!」
「そのとおり。細いところは,小さな幼虫で,ふんも小さいね。太い所は,幼虫が大きなふんをしているね。このことから,幼虫の成長している様子が分かるだろう。二人ともよく発見したね。たいしたものだ。パチパチパチ。ハナダイコンの葉だけではなくて,いろいろな植物で発見しようね。」
「モンタ博士,校庭はいろいろな緑の木や,色とりどりの花がさいているわ。いっしょに見に行きましょう。」
「いいよ,いいよ。OKだよ。身近な自然を見るための始めの一歩は,校庭を歩くことだね。でもね,ただ何もしないで,てくてくしていてはだめだよね。しっかりと,じっくりと,ていねいに見てみようよ。虫めがねを使ってたくさん発見しようね。」
こうするとよく見える
手の遠近がポイント