トウショキッズ 東書KIDS

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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
3.動物どうぶつ世界せかい
 (7)ハチ・チョウ・ガ以外いがい昆虫こんちゅうのなかま
(25)人間にんげん血液型けつえきがたをキャッチできる
花ちゃん
「かゆい,かゆい。もうどうしようもなくかゆいわ。」

オーくん
(はな)ちゃん,どうしたの? ウルシの()にかぶれたの。それともカにでもさされたのかな。()せてごらんよ。あ! これはカにさされたんだ。」

花ちゃん
(なん)で,カは(ひと)をさすのかな。(わたし),くやしいから,カのことをてってい(てき)調(しら)べてみるわ。そして,リベンジするわ。オー(くん)手伝(てつだ)って!」

オーくん
「ほい,きた,OK(オーケー)。」

  それから,二人(ふたり)学校(がっこう)図書室(としょしつ)()って調(しら)べたとさ・・・。
花ちゃん
(ひと)()をすうカはメスだと()いてあるわ。どうしてかな。」

オーくん
「タマゴを(そだ)てるためだとあるよ。なるほど。タマゴを育てるために,ママさんカもがんばっているんだな。おなかいっぱい()をすうと,300()くらいのタマゴを育てられるそうだ。すごいな。たいしたもんだな。」

花ちゃん
「へんなところで感心(かんしん)してないで,(わたし)はかゆいんだから。ところで,カは()をすうだけなの? いつも(なに)をすっているの? オスは何をすってるの。」

オーくん
「ほら,ここに()いてあるよ。(はな)のみつや果汁(かじゅう)(くさ)のしるをすうって書いてあるよ。」

花ちゃん
「なるほど。あっ! それから,カはとまっても,すぐには()をすうわけではないみたいよ。(くち)(さき)()ふのあちこちをふれたりして,毛細(もうさい)血管(けっかん)(とても(ほそ)い血管)のありかをさがすんだ。たいしたものね。」

オーくん
「2~3(ぷん)()(つづ)けると()いてあるよ。それで,まんぷくになるころには,体重(たいじゅう)が2(ばい)にもなるそうだ。ちょうおでぶちゃんになるというわけだ。」

花ちゃん
(わたし)がバシッとたたいた(とき)に,(まっ)()()がいっぱい()たわ。ところで,カをよびよせな方法(ほうほう)はないのかな。」

オーくん
「カはにおいに(あつ)まってくると()いてあるよ。(あせ)動物(どうぶつ)()(いき)をキャッチするんだな。(ちい)さな(からだ)なのに,なかなか(たい)したものだね。」

花ちゃん
「ニオイがはっきりするためには,湿度(しつど)(しめりけ)も大切(たいせつ)とあるわ。それで,じめじめして,むし(あつ)いところにカがいるのね。」

オーくん
「モンタ博士(はかせ)。ぼくたち,カについて,いろいろと研究(けんきゅう)したでしょ。」

「なかなかよく調(しら)べたね。それじゃ,おもしろいことを(おし)えてあげよう。カにさされたら,そのまま観察(かんさつ)するんだ。はりが(ふか)(はい)ったところで,すばやくうでに(ちから)()れるんだ。そうすると,きんにくがしまって,カははりがぬけなくなるんだ。それで,カは(はね)をバタバタして,()てて(たの)しいぞ。」
モンタ博士

オーくん
「それはおもしろそうだ。ぼくも実験(じっけん)してみる。()ってきまーす。」

花ちゃん
「モンタ博士(はかせ),その実験(じっけん)をしたら,どうなるの。かゆくならないの。」

「もちろんかゆいさ。そのうち,オー(くん)もかゆがって(かえ)ってくるよ。」
モンタ博士

オーくん
「うわあー。かゆい。かゆーい。(たす)けてくれー!」

(ひと)血液型(けつえきがた)()っている()・・・
 ()()かれる(ひと)とそうでない人がいます。いろいろな要因(よういん)(かんが)えられますが,血液型(けつえきがた)もその(ひと)つであるといわれています。(エー)(ビー)(オー)AB(エービー)(がた)の血液の人を()けて,蚊を(はな)したところ,O型の人が一番(いちばん)攻撃(こうげき)されたという実験(じっけん)データもあるそうです。
 ()吸血源(きゅうけつげん)動物(どうぶつ)発見(はっけん)する()がかりとしては,まず化学(かがく)物質(ぶっしつ)による誘引(ゆういん)があります。その(ひと)つが呼吸(こきゅう)によって(ほう)(しゅつ)される二酸化炭素(にさんかたんそ)です。二酸化炭素以外(いがい)の化学物質では,L(エル)乳酸(にゅうさん)に誘引活性(かっせい)があることが証明(しょうめい)されています。L乳酸は(ひと)筋肉(きんにく)(とう)から(つく)られ,(あせ)とともに,皮膚(ひふ)表面(ひょうめん)分泌(ぶんぴつ)されます。L乳酸の(りょう)には人による()があり,蚊に()されやすいかどうかという個人差(こじんさ)一因(いちいん)にもなっています。誘引された蚊の吸血を刺激(しげき)する物質としては赤血球(せっけっきゅう)(ふく)まれる5´ーアデニル(さん)やアデノシン3リン酸などが()られています。また,女性(じょせい)では,ホルモンの分泌(ぶんぴつ)周期(しゅうき)により,蚊にさされやすい()とそうでない日がめぐってくるそうです。
 これらの化学(かがく)物質(ぶっしつ)感知(かんち)する嗅覚器(きゅうかくき)は,(おも)(しょっ)角上(かくじょう)分布(ぶんぷ)する感覚子(かんかくし)です。また,メスの触角(しょっかく)先端部(せんたんぶ)にある2()の感覚子は温度(おんど)受容器(じゅようき)(ひと)体温(たいおん)(かん)じることもできます。(さけ)()むと()()されやすいというのは,飲酒(いんしゅ)によって体温が()がり,二酸化炭素(にさんかたんそ)放出(ほうしゅつ)する(りょう)()えて,蚊を誘引(ゆういん)するためであると()われています。お酒を飲む(とき)は,時と場所(ばしょ)(かんが)えて飲もうというのは,蚊からのメッセージかもしれませんね。なお,耳元(みみもと)でブンブンいうから蚊という()になったかは不明(ふめい)です。
   てくてく自然散歩シリーズ
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