4.自然界のつりあい・環境保全・地質と地形の世界
(1)自然界のつりあい
(22)レンゲソウと根粒バクテリア
レンゲソウ(マメ科)
「♪♪♪ひーらいた ひーらいた レンゲの花がひーらいた♪♪♪」
「モンタ博士。ごきげんですね。」
「あ,レンゲソウ。」
「私は,レンゲ畑で遊ぶのが大すきなの。レンゲソウにかこまれた美女って,わたしのことよね。そうでしょう。」
「美女の話はまあいいとして,こんなみごとなレンゲ畑があるなんて,花ちゃんもオー君も幸せだよね。いつまでもこういうレンゲ畑が残ってほしいね。」
「ところで,モンタ博士,なんでそんなにいっぱいレンゲソウがあるのかな? 趣味で植えているのかな? 花ちゃん教えてよ!」
「えっ? そういえば,どうしてかな。私にも分かんないわ。」
「モンタ博士。なんでそんなにいっぱいレンゲソウがあるの?」
「そうだね。レンゲソウはもともとは,中国の植物でね,田んぼに植えてあるのは,花を楽しむためではないんだよ。ちょっとむずかしいけどね。植物が,この場合,お米のことだけど,よく育つために,根にある根粒バクテリアを肥料として利用するためなんだよ。」
「こんりゅうバクテリア? なんだ,そりゃ? モンタ星の言葉ですか。」
「私も初めて聞いたわ。なんですか。そのこんりゅうバクテリアというのは?」
「むずかしく言うと,分かんなくなってしまうからね。くわしくは,そのうち,勉強するけどね,植物が育つためには,窒素,燐酸(りんさん),カリといってね。大切なものがあるんだよ。それと関係しているのさ。」
「なんですか? その,ちっそ? りんさん? カリって?」
「ごめん。ごめん。その話はやめよう。ようするに,かんたんに言うと,よい土にするためなのさ。」
「栄養たっぷりのよい土にすることなのね。おいしいお米をつくるためなのね。」
「そのとおり。でも,このごろあまりレンゲ畑が見られないんだよ。モンタ博士が子供のころには,あちこちにあったね。春になると,ピンクのじゅうたんのようになるのさ。そりゃ,きれいだったね。子供のころの勉強は忘れちゃったけど,そういうのは,よく覚えているんだよね。心の原風景ともいうけどね。ところで,このごろレンゲ畑が少なくなっているのはどうしてかな。」
「うーん。それは,?????。」
「機械を使うときに,つごうが悪いのかな。」
「ピンポーン。そのとおり。根や茎が機械にからんだりして良くないのさ。」
「モンタ博士。この花は,よく見ると,とってもきれいだよ。白とピンク,赤もあって,ぼく気に入ったぜ。」
「カラスノエンドウみたいな花が集まっているわ。花の形がなんかふつうにある花とちょっとちがうみたいですね。」
「すごい。よく見ているね,たいした観察力だね。マメ科の花というのはね。おっといけない,今日はもう時間がないよ。花の形についての話はまた今度するからね。それまで,フジの花やクローバーの花を見ておこうね。」
レンゲソウから一言・・・
私はレンゲソウよ。昔は一面のレンゲ畑で,お父さんやお母さんの子供のころには,あっちこっち,あったはずよ。お花は,長い軸の上に5から7個集めて咲いているわ。見わたすかぎりのレンゲ畑もステキだけど,私を一度,虫メガネで見てちょうだい。その色合いの美しさといったら,自分でいうのも何だけど,なかなかのものよ。私ってかなりのおしゃれなんですからね。花が開いている時には,ミツバチなどがよく蜜をすいに来てくれるの。私には,根粒バクテリアがついて,栽培が簡単なの。鉢植え栽培も簡単だから,ぜひやってみてね。それから,モンキチョウなどは,私の葉っぱが大好きでよく来てくれるの。よくみると,卵を見つけられるかもしれないわね。