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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
1.身近みぢか自然しぜん観察かんさつ
 (5)自然観察しぜんかんさつ実験じっけんのてびき
(20)はなのにおいで植物しょくぶつ観察かんさつしよう(キンモクセイ・スイカズラ)
花ちゃん
「モンタ博士(はかせ),この(まえ)五感(ごかん)(はなし)(つづ)きをして!」

「ほい,きた,()ってました。ところで,植物(しょくぶつ)観察(かんさつ)(むし)の観察とでは,(おお)きなちがいがあるんだけど,()がついているかな。」
モンタ博士

オーくん
「うーん。そうだな。そう()われると,こまっちゃうな。」

「あのね,動物(どうぶつ)昆虫(こんちゅう)は,(うご)くことができるでしょう。動きがあるものってのは,興味(きょうみ)もわきやすいし,()ているだけでも,いろいろと()かるよね。でもね,植物(しょくぶつ)は動かないね。それがヒントだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「そうか,植物(しょくぶつ)自分(じぶん)では(うご)かないから,こっちから,いろいろと動けばいいというわけね。」

「そうだね。こっちからいろいろと(うご)いてみるために,()だけでなく,(はな)(くち)(みみ)()使(つか)えばいいということだよ。」
モンタ博士

オーくん
「それが,五感(ごかん)使(つか)うということだね。」

()っぱは()ているだけでは,どれも緑色(みどりいろ)していて(おな)じように見えるけど,(じつ)は,葉っぱには,それぞれいろいろなにおいがあるんだよ。それをだまって見ていないで,葉っぱをちぎってにおいをかぐということが大切(たいせつ)観察(かんさつ)方法(ほうほう)というわけだね。」
モンタ博士

オーくん
()かった。自分(じぶん)からいろいろと(うご)いて,(はな)使(つか)えばいいんだ。」

花ちゃん
「お(はな)でも,キンモクセイ,クチナシ,スイカズラ,ジンチョウゲなどは,とてもいいにおいよ。」

写真1+2
キンモクセイ         スイカズラ
オーくん
「へんなにおいのする植物(しょくぶつ)もあるのかな?」

花ちゃん
(わたし)()ってるわ。ドクダミって,ちょうへんなにおいがするわ。」

オーくん
「ドクダミって,ぼくも()いたことがあるよ。うちのおばあちゃんが,(くすり)になるって()っていたよ。ドクダミ(ちゃ)って()んだことあるんだ。」

(くすり)になる植物(しょくぶつ)は,たくさんあるんだよ。もともと,植物の研究(けんきゅう)(はじ)まりは,植物をどうやって薬にしようかというところから始まったんだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「だから,(くすり)という()は,くさかんむりなんだ。(くさ)()べて,(からだ)(らく)になるというわけね。」

オーくん
「なるほど,ぼく,勉強(べんきょう)になったぜ。」

(はなし)がそれてしまったけど,(くすり)になる植物(しょくぶつ)のことは,また今度(こんど),ゆっくりとお(はな)ししてあげよう。ところで,オー(くん)質問(しつもん)だけど,アゲハチョウの仲間(なかま)はどんな()っぱを()べるんだったっけ?」
モンタ博士

オーくん
()まってら,ミカンのなかまだよ。()たりだろ,モンタ博士(はかせ)。」

「そのとおり,さすがは,(むし)博士(はかせ)だね。ミカンの仲間(なかま)()っぱをちぎると,みんな(おな)じようなにおいがするんだよ。ミカン()植物(しょくぶつ)特徴(とくちょう)だね。」
モンタ博士

花ちゃん
「ほかにも,よくにおいのする植物(しょくぶつ)ってあるの?」

「またオー(くん)質問(しつもん)するけど,アオスジアゲハは(なに)()べていたっけ?」
モンタ博士

オーくん
「クスノキだよ。そういえば,あれも()っぱをちぎるとにおいがしたな。」

「そうだよ,クスノキ(),シソ科,セリ科など,それぞれ,特徴(とくちょう)のあるにおいを()っているんだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
(わたし)も,これからは,()()るだけではなくて,(ひと)(ひと)()っぱをちぎってにおいをかいでみることにするわ。ねー,オー(くん)。」

オーくん
「でも,必要(ひつよう)最低限(さいていげん)にしなくちゃいけないんだ。だってぼくたちがいっぱいとっちゃったら,チョウの()べる()っぱがなくなっちゃうもんな!」

「まあ,そういう(かんが)(かた)もあるけどね。」
モンタ博士

()(ぜん)(にん)(しき)には・・・
 小学校(しょうがっこう)植物(しょくぶつ)教材(きょうざい)として使(つか)われるアサガオやヒマワリなどの栽培(さいばい)植物(しょくぶつ)は,人間(にんげん)によって管理(かんり)されたものであり,それらの観察(かんさつ)だけでよいのだろうか。栽培植物をもとにして,野外(やがい)植物(しょくぶつ)自然(しぜん)状態(じょうたい)の観察に発展(はってん)するように指導(しどう)しなければ,自然の認識(にんしき)には,ほど(とお)いものになってしまうように(かんが)えられる。
 自然(しぜん)認識(にんしき)は,やがては人間(にんげん)生活(せいかつ)()(かた)個人(こじん)人生(じんせい)(かん)にも(ふか)関係(かんけい)があるように(おも)う。こういう意味(いみ)で,自然の事物(じぶつ)現象(げんしょう)対象(たいしょう)とする理科(りか)教育(きょういく)は,人間(にんげん)教育(きょういく)一面(いちめん)をずっしりとになっている領域(りょういき)であると,(わたし)(かんが)える。
 植物(しょくぶつ)教育(きょういく)というのは,植物の抽象(ちゅうしょう)された知識(ちしき)説明(せつめい)したり,(おし)えこむことではなく,(とく)野外(やがい)自然(しぜん)()えている植物の()きざまを調(しら)べる方法(ほうほう)()につけさせることではないだろうか。
   てくてく自然散歩シリーズ
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