3.動物の世界
(8)クモのなかま
(2)クモの巣の不思議と界門綱目科属種について
「ふむふむ。なるほど。なるほど。」
「モンタ博士。何をさっきから一人でうなずいているんですか。」
「ある先生からもらったプリントにね,とってもおもしろいことが書いてあるんだ。」
「どんなことですか。ぼくにも教えてください。」
「クモのことなんだ。クモは巣をはって,そこにひっかかった虫を食べるだろう。でも,どうしてクモは自分の作った巣にひっかからないかということがくわしく書いてあってね,モンタ博士もものすごく勉強になったね。」
「なんかとっても楽しそう。どうして巣にかからないんですか。」
「ぼくたちにも教えてください。一人じめしちゃズルイよ!」
「クモはたて糸と横糸の両方の糸がネバネバしているわけではなくて,横糸だけがネバネバしているのさ。だから,クモはたて糸の上だけを歩いているというわけさ。それにクモの足には油のようなものがついていて,糸がくっつかないようになっているんだそうだ。」
「なかなかうまくできているんですね。感心しますね。」
「モンタ博士,ほかにクモの秘密はないんですか。教えてよ。」
「あのね,クモはね,目的によっていろいろな糸の太さや性質をかえることができるんだって。すごいね。たとえば,アミをはるときの糸,巣にひっかかったえものをクルクルとまくための糸,たまごをつつむ糸,それからね,空を飛ぶときに使う糸などがあるんだよ。」
「みんな同じような糸かと思っていたけど,いろいろな使い分けをしているんだ。」
「へー! よくまちがえないで,使い分けているね。感心。感心。」
「ところで,クモは日本に何種類くらいいるのかな。オー君,知ってる。」
「ある本によると,1000種類と書いてあったよ。その中でアミをはるのは半分くらいなんだって。コガネグモやオニグモなどは丸いアミを作るんだ。」
「クモによってアミの形がちがうんだけど,それはまた話すね。ところで,ある本で読んだんだけど,アミは雨や風などですぐにいたんだり,ほこりがついて使い物にならなくなるんだったね。それで,モンタ博士もおどろいたけど,1日か2日ではりかえるそうだよ。クモも苦労しているね。さらに,アミを作りかえるときに,なんと,古いアミを食べてリサイクルするというから,たまげちゃうね。」
「すごい昆虫? いや,クモは昆虫じゃなかったわ。足が8本だもんね。」
「ムカデのように足がいっぱいあるやつも昆虫じゃないし,なんていうの?」
界・門・綱・目・科・属・種(かい・もん・こう・もく・か・ぞく・しゅ)
全生物の分類単位を表したものです。動物を例にとると,門は脊椎動物とか,軟体動物とか,節足動物とかになります。サンマやカエル,キョウリュウ,ヒトは,背骨=脊椎骨をもつということで,脊椎動物門になります。昆虫は,節足動物といい,節のある足をもつということです。エビ,カニ,クモ,ダニ,サソリ,ムカデはすべて節のある足をもっています。つまり,節足動物の門というレベルでは同じ動物といえるでしょう。
モンシロチョウを例にとると,動物界―節足動物門―昆虫綱―チョウ目―シロチョウ科―モンシロチョウ属―モンシロチョウ(種)となります。クモはクモ形動物綱となり,ムカデ,ヤスデは多足動物綱となり,ダンゴムシは甲殻動物綱となります。
植物界も種子植物門―単子葉植物綱とかいろいろあります。詳しくはまたね!